Apple、ARゴーグル開発のMiraを買収。USJのアトラクションも製品採用

ユニバーサル・スタジオ・ジャパン「マリオカート・クッパの挑戦状」

ユニバーサル・スタジオ・ジャパン「マリオカート・クッパの挑戦状」
 
Appleは、拡張現実(AR)ヘッドセット企業のMira買収したことを認めた、と米メディアThe Vergeが報じています。Miraは、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのアトラクションや、アメリカの空軍・海軍などに製品を提供しています。

 

■3行で分かる、この記事のポイント
1. Appleが、ARゴーグル企業のMiraを買収したことを認めた。
2. Miraの製品はUSJのアトラクションや米軍などでも採用。
3. Appleの元デザイン最高責任者、ジョナサン・アイブ氏も顧問を務めていた。

「マリオカート・クッパの挑戦状」のARゴーグルに採用

AppleがARヘッドセット開発のMira買収したことを認めたのは、世界開発者会議(WWDC23)で空間コンピュータVision Proを発表した翌日のことです。
 
Miraは、米ロサンゼルスを本拠地とするスタートアップ企業で、同社の製品は、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)のスーパー・ニンテンドー・ワールドにある人気アトラクション「マリオカート・クッパの挑戦状」で採用されているARゴーグルのほか、アメリカ空軍や海軍といった軍事分野、工場や鉱山などの産業分野で採用されています。
 
Mira Prism
 
Miraには、Appleの最高デザイン責任者だったジョナサン・アイブ氏が一時、アドバイザーを務めていたこともある、とMiraの元従業員が匿名を条件にThe Vergeに語っています。
 
アイブ氏は2019年にAppleを退社していますが、2022年5月には、同氏は退社後もVision Proの開発に関与していたのではないか、と噂されていました。

Appleは買収を認めるも買収額は不明

Miraの最高経営責任者(CEO)であったベン・タフト氏は、Instagramの投稿で、Miraの従業員のうち、少なくとも11名がAppleに移籍したことを明かしています。
 
Appleの広報担当者は、Miraの買収を認めたものの、買収の目的、買収金額については明らかにしていません。

買収目的は人材獲得?知的財産?

米メディアMacRumorsは、Vision Proの開発を通じてARと仮想現実(VR)に関する十分な知見を持つAppleがMiraを買収した真の目的は不明だが、人材獲得あるいは知的財産が理由ではないか、と推測しています。
 
筆者としては、3,499ドル(約49万円)と高価なVision Proのよりもお手頃なモデルの開発が、Miraの技術を活用して進むことを願っています。
 
 
Source:The Verge, MacRumors
Photo:Mira, ユニバーサル・スタジオ・ジャパン/YouTube
(hato)

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この記事を書いた人

2013年からライター&編集担当として活動。2007年、駐在中のシリコンバレーで発売直後の初代iPhoneに触れて惚れ込む。iPhone歴は3GS→5s→6 Plus→7 Plus→XS Max→12 Pro Max→14 Pro。

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