Appleのビンテージコンピュータに実際に触れてみた!意外と現行モデルと変わらない?

ビンテージ mac

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ドイツ・ハンブルク大学のコンピュータ博物館が、4月23日〜28日の期間に開催されたHCI(ヒューマン-コンピュータ・インタラクション)分野の重要な国際会議CHI(カイ)の会場にて、「アイコニックなマシンたち(Iconic Machines)」と名付けられた展示を行っていました。
 
さまざまなApple製のビンテージコンピュータが今でも動作しており、実際に触ることができましたので、操作感や感触をお伝えしたいと思います。

■3行で分かる、この記事のポイント
1. Appleにゆかりのある7台のビンテージコンピュータを筆者が実際に触ってみた。
2. Appleは過去に多くのデスクトップコンピュータを送り出してきた。
3. Appleコンピュータの哲学は初期のデスクトップモデルから貫かれており、現行モデルにも脈々と受け継がれていると感じた。

Appleは多くのデスクトップコンピュータを送り出してきた

今ではiPhoneや薄型のMacBookなどが主要製品となっていますが、1976年に創業されたAppleは、もともとデスクトップコンピュータの開発を行っていました。
 
今ではオークションで家が一軒買えるほどの値段をつけるApple-1コンピュータ(1976年)から、元Apple最高デザイン責任者のジョナサン・アイブ氏がデザインを手掛けたiMac 3G(1998年)まで、Appleは21世紀に入るまで多くのデスクトップコンピュータを世に送り出してきましたが、それらを一気に触れることができる展覧会になっています。
 

Apple-1コンピュータ(1976/2023)

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1976年発売で、Appleの礎を築いたとも言えるApple-1コンピュータは、昨今オークションで高値で取引されています。
 
展覧会では同機のレプリカ(2023年)が展示されており、キーボードにも触れることができましたが、ビンテージコンピュータの専門家ではない私にとっては、自分が何を行っているのかいまいちわからないというのが正直な感想でした。
 

Apple II europlus(1977/78)

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米国での初代Apple IIの成功を受けて、Appleは1978年にヨーロッパとアジアに市場を拡大することを決定しました。
 
初代Apple IIコンピュータの販売は1977年6月5日に開始され、1MHzのMOS Technology社製6502マイクロプロセッサ、4KBのRAMメモリ、オーディオカセットインターフェイスが搭載されていました。
 
プログラミング言語「Integer BASIC」はROMに内蔵されており、ビデオコントローラーは、40列24行のテキスト(大文字のみ)をスクリーンに表示しました。NTSCコンポジットビデオ出力は、モニターや、RFモジュレータを使ったテレビに表示することができました。
 
展覧会場では、ある学生がApple IIコンピュータとgraphic tabletというApple製ビンテージタブレットを使って、ドローイングを試みており、見事鹿の絵を書くことに成功していましたが、ツールのスムーズな切り替えが困難で、かなり時間がかかっていたのが印象的でした。
 

Apple Lisa 2/10(1983/84)

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Apple Lisaは1983年1月19日にリリースされましたが、展示されていたLisa 2/10は最終モデルで、ハイエンドの「Macintosh XL」としてリブランディングして販売されました。
 
Macintosh XLはMacWorks XLが同梱されていましたが、 Lisa 2/10はLisa OS のみを同梱しており、大量に売れ残ったとされています。
 
LisaのGUI(グラフィカルユーザーインタフェース)はすでにかなり現行のMacを彷彿させるものがあり、思っていたよりも画面がきれいで今でも普通に使えるのではないかとの錯覚を抱くほどでした。
 

Macintosh 512K(1984)

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長きにわたるMacintoshの歴史の中で2番目となる製品であるMacintosh 512Kは、そのアイコニックな見た目が特徴的です。一見、インド初のApple Storeに現れ、ティム・クック最高経営責任者(CEO)を驚かせた強者が持っていたコンピュータのように見えますが、そちらはMacintosh 512Kの数年後に発売されたMacintosh SEだったようです。
 
こちらも、思っていたよりも現行Macに近い操作感で、ドローイングなどのタスクも問題なくこなせそうな気がしてきます。
 
すでに多くの人が落書きを楽しんでおり、筆者もそれに続く形で楽しませていただきました。
 

NeXTcube(1990)

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Apple共同創業者のスティーブ・ジョブズ氏が、自分で起ち上げたAppleから一度解雇されたのは有名な話ですが、そのとき同氏が自身で創業したのがNeXTです。
 
その後NeXTはAppleに買収され、ジョブズ氏は念願のApple復帰を果たしましたが、今回はNeXTが販売したコンピュータのひとつであるNeXTcubeに実際に触れることができました。
 
一見、モニター部分とキーボード部分だけでコンピュータが動くかのような錯覚をしましたが、この“キューブ”の部分がコンピュータの本体であることがわかりました。システム全体を机の上に配置するとかなりのスペースを取ることになります。
 
ここでもシンプルなインターフェースから、すでに現行のMacに通じる哲学が感じられました。
 

Twentieth Anniversary Macintosh(1997)

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展示されていたコンピュータの中で、ジョナサン・アイブ氏がデザインしたもので最も古いのはTwentieth Anniversary Macintosh(通称TAM)でした。
 
こちらはインターフェースがどうというよりも、あまりに奇抜なデザインのため使用感を忘れるほどでした。
 
ドラム型のマシンの一部は、ゴミ箱のようと呼ばれたMac Proを彷彿させるものがあります。
 

iMac G3(1998)

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このコンピュータは多くの人が目にしたことがあるのではないでしょうか。
 
実際に動作する機体を触ったところ、ボールマウスでカーソルの動きのスピードが制限される以外は、ほぼ現行Macに近い操作感がありました。
 
iMac G3は水槽としての使用例もあり、オブジェとしても十分に魅力的ですが、やはり実際に使ってみると、マシンの変遷が感じられ、大きな感銘を受けました。
 
 
Source:ハンブルク大学コンピュータ博物館
(lexi)

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この記事を書いた人

ARラボ出身の猫愛好家。往年のMacユーザーで、iPhone使用歴は10年以上。

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