Apple、世界のサプライヤーと2030年までの脱炭素実現を目指すと発表

Apple サプライヤー カーボンニュートラル クリーンエネルギー

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Appleは現地時間10月25日、温室効果ガスの排出削減への取り組みとして、世界のサプライチェーンに2030年までの脱炭素化を要請した、と発表しました。アメリカではiPhoneの充電にクリーンな電力を優先して使用する機能が提供されています。

2030年までのカーボンニュートラル実現を目指すApple

Apple2030年までのカーボンニュートラル実現を目標に掲げています。Appleは、自社のみでなく、世界じゅうでApple製品のための部品製造や組み立てを担当するサプライチェーンに対しても、製造に再生可能エネルギーの使用を求めています
 
すでに200以上のサプライヤーがすべてのApple製品製造に太陽光などのクリーンな電力を使うと確約しており、ヨーロッパで大規模な太陽光と風力による発電を導入することで、再生可能エネルギーが年間3,000ギガワット時増えるほか、後述の森林プロジェクトにより、2025年には大気から100万トンの二酸化炭素が除去される見込み、とAppleは説明しています。
 
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iPhoneやMacのAppleシリコンを製造するTSMC、日東電工、iPhone用強化ガラスのCorning、半導体製造のSK hynixやSTMicroelectronicsなどが、Apple製品の製造に100%再生可能エネルギーを使用することを確約しています。
 
Appleはサプライヤーの再生可能エネルギー利用を推進するために、サプライヤー各社向けに無料のEラーニングやライブトレーニングを提供しています。

iPhoneがクリーンな電力を選んで充電

アメリカでは、iOS16.1の公開にあわせて「クリーンエネルギー充電」が利用可能となりました。
 
同機能をオンにしておけば、iPhoneが充電が予想される時間帯の電力源を調べて、太陽光や風力などのクリーンエネルギーが使用される時間帯に充電するよう、充電パターンが自動で最適化されます。
 
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経済的リターンを生む森林保護に3つの新プロジェクト

Appleは、2021年4月に森林の保護により二酸化炭素を除去しつつ、金銭的なリターンを生む「Restore Fund(再生基金)」の設立を発表しています。Appleは今回、同基金による3つの新しいプロジェクトを発表しました。
 
Restore Fundは、環境保護団体コンサベーション・インターナショナルと投資銀行Goldman Sachsと提携し、ブラジルとパラグアイの3つの質の高い森林管理に投資し、10万エーカー(40万4700平方メートル、東京ドーム約0.9個分)の天然林、草地、湿地を保護しています。
 
Appleは、炭素除去の影響を正確に監視、報告、検証するために衛生画像の分析やリモートセンサーテクノロジーの配備に取り組むと発表しています。

世界各地での新プロジェクトも発表

あわせてAppleは、気候変動への対応として、世界各地でコミュニティ主導型のパートナーシップを発表しました。
 
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  • ナミビアとジンバブエで、世界自然保護基金(WWF)と協力し、Climate Crowdプログラムを通じて気候レジリエンスと持続可能な生計を促進。
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  • 中国で、China Green Carbon Foundationと協力し、天然の炭素吸着源の質と量を高めることを目的とした調査。四川省の省都、成都では、大都市圏での炭素除去実行に向けたパイロットプログラム確立を目指す。
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  • ヨーロッパ、中東、北アフリカで、ChangemakerXchangeとのパートナーシップにより、若者主導の気候に関する革新をつなぎ、構築し、高めるためのネットワーク作りを支援。2022年11月にエジプトで開催される国連気候変動枠組条約締約国会議(COP27)で開始し、今後2年間でヨーロッパ、中東、北アフリカの計100団体を支援。

 
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iPhoneの製造には二酸化炭素の代わりに酸素を出すアルミを採用

2022年3月にAppleは、iPhone SE(第3世代)には、製錬工程で二酸化炭素ではなく酸素を排出するアルミニウムを使用していると発表しています。

 
 
Source:Apple
(hato)

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この記事を書いた人

2013年からライター&編集担当として活動。2007年、駐在中のシリコンバレーで発売直後の初代iPhoneに触れて惚れ込む。iPhone歴は3GS→5s→6 Plus→7 Plus→XS Max→12 Pro Max→14 Pro。

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