アプリ内課金の平均価格、iOSは一年で40%も上昇していた
コスト高による価格への転嫁がインフレを招いているのは、日本経済だけではありません。App Storeではアプリ内課金の平均価格が昨年から40%も上昇していることが分かりました。主な理由はAppleのユーザープライバシー尊重ポリシーだと考えられています。
iOSアプリだけが大きく上昇
Apptopiaが行った調査によると、2021年6月からの一年間で、Google Play経由でダウンロードされたアプリ内課金の平均価格が9%程度の上昇だったのに対し、App Storeでは40%上昇しました。
世界的にインフレが確認されていることを踏まえても、なぜiOSのアプリだけがここまで短期間に平均価格が上がっているのでしょうか。
調査レポートでは、Appleによる「アプリのトラッキングの透明性(ATT)」ポリシー導入によって、アプリのパブリッシャーが適切なユーザーにリーチするコストが上昇し、それが価格に転嫁されたのが大きな理由ではないかとみられています。
事実、iOSでのアプリ内課金の値上げは、インフレが激しくなる2022年以前から始まっています。
Facebookは大きな痛手
AppleのATTは、アプリによるトラッキングをユーザーが積極的に遮断できるようになるため(もちろんトラッキングを許可することもできますが、大半のユーザーは「許可しない」を選ぶでしょう)、消費者に最適な広告を提示して利益を上げていたGoogleやFacebookにとっては死活問題だと言われています。
とくにFacebookは、2022年第2四半期(4月〜6月)で創業以来初めての収益減を記録しており、ATTの影響がいかに大きいかを物語っています。
また、調査企業Lotameによる試算では、ATTによってAppleの潜在的なライバル企業のプラットフォーム収益が合計で160億ドル(約2兆3,120億円)減少する可能性があるそうです。
Source:9to5Mac,Apptopia,Lotame
(kihachi)