アプリのトラッキングの透明性はそれほどAppleの利益には繋がっていない?

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広告やデータブローカーとの情報共有といった目的で、アプリが他社のアプリやWebサイトを横断してユーザーの行動を追跡できるかどうかをユーザー自身が自分で決められるようにするのがアプリのトラッキングの透明性(ATT)ですが、この新機能の導入によりMeta(前Facebook)などのサードパーティー企業が得ていた巨額の収益がAppleに流れたのではないかという疑惑が持ち上がっていました。Appleは疑念を晴らすため、ATTはAppleの利益には繋がっていないとの結論が導かれた研究結果を公開しました。

ATTが大きな利益に繋がっていない3つの理由

コロンビア・ビジネス・スクールのマーケティング部門教授キンシューク・ジェラス氏によれば、Appleが昨年新たなプライバシー機能(ATT)を開始して以来、そこから大きな金銭的利益を得ている可能性は低いとのことです。
 
ジェラス氏は報告書の中で、「ATTの導入により、Metaなどの企業からAppleに数千億円の広告費が流れたという主張は“憶測”であり、“裏付けに欠ける”」と述べています。
 
同氏によると、以下の3つの項目がその理由であるとのことです。
 

  • Appleの検索広告ビジネスは、モバイル広告市場全体のごく一部を占めること
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  • AppleのSearch Ads事業の成長は、アプリのトラッキングの透明性の導入以前から始まっており、モバイル広告やアプリインストール広告の全体的な成長の継続や、2021年7月のSearch Ads事業の中国への拡大など、他の要因によるところが大きいとみられること
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  • Appleは、iOSの設定において、ユーザーがデバイスのパーソナライズド広告をオフにできるプロンプトを提供していること

研究はApple自身が助成

2021年10月、英Financial Timesは、アプリのトラッキングの透明性がAppleの広告ビジネスに“風穴”を開ける結果になったと報じました。同報道によれば、同機能導入後の6カ月間で、モバイルアプリ広告市場におけるAppleのシェアが3倍になったとのことです。Appleは、この機能はユーザーを保護するためのものであり、同社を有利な立場に置くためのものではないと述べています。
 
Appleは、今回の報告書の調査結果を裏付ける数字を提供しておらず、研究自体もAppleにより助成されたことに留意する必要があります。
 
 
Source:Apple via MacRumors
Photo:Apple
(lexi)

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