世界最先端狙うTSMCの米アリゾナ州工場、完成に向けて一歩前進
Appleにチップを供給しているTSMCが、米アリゾナ州フェニックスに建設中の工場で棟上げ式(上棟式:建物の大まかな構造ができたことを祝す記念式典)を行いました。同施設は最先端のチップ開発を目標とし、2024年の稼働が計画されています。
工場完成に向けて目処立つ
TSMCの新たなチップ工場は、120億ドル(約1兆6,000億円)を投じて、アリゾナ州で現在建設中です。
今回の式典は、棟を一番高い場所に上げる「棟上げ式」と呼ばれるもので、次世代チップ量産工場であるFAB 21の将来を祝い、4,000人以上の参加者が一同に会しました。
将来的には台湾工場に匹敵する施設に
すでにTSMCはワシントン州、テキサス州、カリフォルニア州と、現在建設中のアリゾナ州以外でも米国内に工場を複数有しています。しかしアリゾナ州のFAB 21は、最先端のチップ量産を当初から目標としている点で、従来の米国工場とは大きく異なります。
TSMCの計画どおり、2024年第1四半期(1月〜3月)より量産が始まれば、米国内では初となる5ナノメートル(nm)プロセス技術でのチップが製造されることになります。iPhone13シリーズに搭載されているA15 Bionicも5nmプロセスで製造されており、文字どおり最先端の技術が米国でも展開される見込みです。
また一部の報道では、3nmや2nmといったプロセスでの製造も同工場で視野に入っているそうで、将来的には台湾工場と肩を並べる施設になることが期待されています。
Appleはもちろんのこと、NvidiaやQualcommといった米企業が主要顧客になると考えられており、コストの低減だけでなく、生産拠点を台湾以外に設けてリスクを分散化できるようになるのは大きな強みと言えるでしょう。
Source:MacRumors
(kihachi)