AT&TとVerizon、航空機への影響懸念に対し5G信号の送信出力を一部引き下げ

    5Gネットワークの画像

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    アメリカ連邦航空局(FAA)が、5G通信の電波が航空機の安全航行に影響を与えるという懸念を示したのに対し、AT&TとVerizonは新たに5G信号の送信出力を6カ月間、一部引き下げることを同局に提案したことが明らかとなりました。

    これまでの経緯

    AT&TとVerizonは今月初め、5G通信の電波が航空機のシステムに干渉する可能性があるというFAAの主張に対し、5Gの運用開始時期を1カ月延期し来年1月5日とすることで合意していました。
     
    FAAの主張に対して通信事業者は反発しているものの、不満を感じているのはそれらの事業者だけではありません。業界観測筋によると、米国連邦通信委員会(FCC)が3.7GHzから3.98GHzのCバンド周波数帯の使用を承認したのは、航空業界が主張する干渉を分析し、それを裏付ける証拠がないと判断したからだと指摘されています。
     
    米国の航空機は5G無線周波数帯の一部を使用して他の約40カ国を飛行していますが、1件の事故報告もないためFAAが懸念を抱いている理由は不明です。

    FAAの主張に対する新たな提案

    しかし、AT&TとVerizonは規制当局が5G信号の航空機センサーへの影響を調査する間、5G信号の送信出力の一部を6カ月間引き下げると発表しました。これは両業界を巻き込んだ対立を解消し、より厳しい規制を回避するためだということです。
     
    FCCに提出された書簡の中で、両社は全米で基地局からの送信出力レベルを引き下げ、空港やヘリポートの近くではさらに厳しい出力制限を課す予定であると明かしています。また、「5Gが空の安全を脅かすことはないと確信していますが、FAAがこの問題についてさらなる分析を要望していることも理解できます」とも述べています。この問題に詳しい関係者によると、ワイヤレス業界の関係者はFCC及びFAAの専門家と頻繁に会合の機会を持ち、航空業界の主張とその解決策について議論しているとのことです。
     
    FAAはこの提案を歓迎していますが、同意するかどうかは明らかにしていません。
     
     
    Source:WSJ via 9to5Mac
    (m7000)

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