Touch IDを巡る韓国企業との特許訴訟、Appleの訴え一部認められず

    iPhone6s

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    iPhoneのホームボタンを巡る特許訴訟で、米国控訴裁判所は14日、「パテント・トロール」と目される韓国のFirstfaceが請求した特許3つのうち2つを支持しました。

    「実行する」と「開始する」は違う?

    FirstfaceとAppleの争いの発端は2018年に遡ります。Firstfaceは、ホームボタンやホームキーに搭載された指紋認証システムによって3つの米国特許が侵害されていると主張、AppleとSamsungを相手取って特許侵害訴訟を起こしました。iPhoneの指紋認証システムは、Touch IDに該当します。
     
    今回の判決で控訴裁判所は3つのうち、1つはAppleの見方を支持したものの、残りの2つについてはFirstfaceが特許を所有していることを認め、Appleの異議申し立てを退けました。
     
    Appleは控訴審の中で、Firstfaceの持つ「アクティベーションボタン」の特許の一部を、米国特許商標庁審判部(PTAB)が誤って解釈していると主張していました。具体的には「ユーザーの追加入力なし(without additional user input)」に認証を「実行する(perform)」とはどういうことか、という解釈を巡ってです。Appleは「実行する」とは「開始する(initiating)」だと指摘しましたが、レイモン・チェン判事は「実行とは開始以上のものだ」として、同社の主張を退けました。

    厄介なパテント・トロール

    Firstfaceはライセンス料や損害賠償金を目的とした、俗にいう「パテント・トロール」の一つだとも考えられています。
     
    Appleも裁判を有利に進めるためにApple Storeを閉鎖する奇策を打つなど、これまで様々なパテント・トロール対策を講じてきましたが、こういった訴えが収まる気配はありません。
     
    なお、Appleは多くのiPhoneですでにFace ID(顔認証)に移行してはいるものの、iPadやiPhone SE、MacBook Proなど一部では引き続きTouch IDを採用しています。
     
     
    Source:AppleInsider,Reuters
    (kihachi)

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    この記事を書いた人

    丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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