古いiPhoneの国または地域名の設定をフランスに変えただけで性能が向上する?

    新しいiPhoneと古いiPhoneの画像

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    バッテリーが古くなったiPhoneの動作速度抑制問題を覚えておられる方も多いのではないでしょうか。この問題が、興味深い現象を生み出していることが判明しました。
     
    中国のユーザーの報告によると、国や地域名の設定をフランスに変更したところ、古いiPhoneの性能が向上したそうです。

    国をフランスにするとベンチマークのCPU性能が向上

    中国のユーザーが手持ちのiPhone7の国または地域名の設定を中国からフランスに変更したところ、動作が速く、スムーズになったとのことです。
     
    これは感覚的なものだけでなく、GeekBench 5のスコアを比較すると実際にCPUで明確な差が出ました。下の図の左側が中国に設定した場合、右側がフランスに設定した場合の結果です。
     
    iPhone7で国または地域の設定を中国にした場合とフランスにした場合のAnTuTuスコアの差
     
    また、AnTuTuベンチマークにおいても同様の結果が得られたとしています。
     
    また、iPadについても国や地域名の変更でパフォーマンスが向上するという報告もあるそうです。

    電池寿命による性能低下問題に厳しいフランスでは性能低下を和らげている?

    このことから、国または地域名の設定による性能の差は、バッテリーが古くなったときに発生するピークパフォーマンスを抑制する機能によるものであると考えられます。
     
    この機能は古いiPhoneを買い替えさせるためなのではないかと世界各国で物議を醸しだし、フランスでは当局による捜査がおこなわれAppleは罰金を科せられました
     
    また、アメリカでも集団訴訟が発生しています。
     
    一方、中国では他国同様交換用バッテリーの価格の引き下げは行われたものの、罰金を支払うまでには至っていません。
     
    このため、ユーザーがバッテリー寿命による性能低下問題に敏感なフランスでは性能低下を和らげ、それほどでもない中国ではピークパフォーマンス抑制機能をそのまま適用しているのではないかと考えられるとのことです。
     
    国または地域名の設定を日本にした場合に性能がどのようになるかについては不明です。
     
    ただし同様の実験をiPhone12 Proで行ったところ、国または地域名の設定を変更してもベンチマークの結果はほぼ同じでした。つまり新しいiOSを搭載した新しいiPhone(かつ、おそらくバッテリーも新しい)は、設定を変更しても性能は変わらないようです。

     
     
    Source: PhoneArena, Gizchina
    (ハウザー)

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