KDDI、povo希望者に大容量プランを契約させる「povoフック」を指示か

    au povo

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    KDDI(au)が、オンライン専用の新料金プラン「povo」を集客装置として来店客を誘導し、高額な大容量プランを契約させる不適切な営業活動をしている、と東洋経済が報じています。先日報じられた、NTTドコモによる「アハモフック」と同様、KDDIが販売店に「povoフック」を指示しているようです。

    KDDI、販売店向けマニュアルで「povoフック」を指示

    KDDIの「povoは、NTTドコモの「ahamo」ソフトバンクの「LINEMO」と同様、契約やサポートをオンラインに集約しており、店頭で契約することはできません。
     
    しかし、東洋経済が入手したKDDIの代理店向けマニュアルに、povoの知名度を使って集客し、大容量プランを契約させる「povoフック」と呼ばれる販売方法が指示されていることがわかりました。
     
    先日、同メディアが報じたNTTドコモによる「アハモフック」と同様の営業が展開されている模様です。

    povoのデメリットを伝えて大容量プランに誘導

    マニュアルでは、povo(税込2,728円)に興味がある来店客に、店頭でのサポートが受けられないpovoのデメリットを強調し、大容量プラン(使い放題MAXの場合、税込7,238円)の契約を獲得するよう指示しています。
     
    全国のauショップは、大半が代理店によって運営されています。代理店にとって重要な収入源である、KDDIからのインセンティブ(報奨金)を左右するのは、大容量プランの契約獲得数であり、povoを勧めるメリットはありません。
     
    代理店は、大容量プランの契約件数でKDDIから評価を受けており、契約数が少ないと、強制的に閉店させられる場合もあるため、大容量プランの獲得に必死になっている模様です。

    景品表示法、電気通信事業法、独占禁止法に抵触のおそれ

    KDDIによる販売手法について、消費者庁出身の染谷隆明弁護士は東洋経済に対し、店頭で契約できないpovoを使った誘客が景品表示法違反の「おとり広告」にあたる可能性があるほか、利用者の望まないプランを販売するのは電気通信事業法の「適合性の原則」に反するのに加え、KDDIが代理店に無償でpovoの宣伝をさせるのは独占禁止法の「優先的地位の濫用」にあたる可能性もある、と指摘しています。
     
    東洋経済は、菅義偉首相、武田良太総務大臣を中心に政府主導で進んだ携帯電話料金の値下げが消費者を欺く営業手法につながったのは、大容量プランの獲得数によるKDDIの評価制度を放置したままに「官製値下げ」が進んだためではないか、と歪みを指摘しています。
     
     
    Source:東洋経済オンライン
    (hato)

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