Qualcomm、NvidiaによるARM買収に「異議あり」

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Qualcommは世界各国の公的機関に対し、Nvidiaによる400億ドル(約4兆2,000億円)でのARMの買収を差し止めるよう訴えていることが、関係者の話で明らかになりました。

FTC、ECなどに訴え

米メディアCNBCによると、Qualcommはこれまでに、米連邦取引委員会(FTC)、欧州委員会(EC)、英国競争・市場庁(CMA:Competition and Markets Authority)、中国の国家市場監督管理総局(SAMR)に対し、現在ソフトバンクが所有するARMをNvidiaが買収することに「懸念がある」と訴えているとのことです。

 
関係者によれば、FTCの調査は現在「第2段階」に入っており、ソフトバンク、ARM、Nvidiaに対し、さらなる情報の提供を要求している模様です。
 
これらの情報収集とまとめには数カ月がかかる見通しで、またFTCは第2段階において、3社と関係のある別の企業からの情報も集めると見られています。

ARMの持つチップ設計技術供与にNvidiaが干渉?

QualcommはNvidiaがARMを買収すれば、ARMの持つ知的財産、すなわちチップ設計技術の他社へのライセンス供与にNvidiaが干渉する可能性があると主張しているとのことです。
 
NvidiaとARMが買収について発表した際、両社は英ケンブリッジにあるARMの拠点を維持し、これまで通り事業に出資すると宣言しています。
 
買収に反対するのはQualcommだけではないとの意見もあります。複数の業界関係者はCNBCに対し、NvidiaによるARM買収については、複数の公的機関が異議を唱える可能性が高い、と述べています。

 
 
Source:CNBC
Photo:Qualcomm
(lunatic)

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この記事を書いた人

元某業界新聞社の記者。その後フリーライターとして各方面で執筆、英日翻訳家としての著書も多数。2014年から本メディアでライター、編集記者として活動中。アメリカ在住(現在は日本に滞在中)。iPhone使用歴は12年以上。

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