【レビュー】MagSafeデュアル充電パッドは買い?充電性能を徹底チェック
Appleが発売したワイヤレス充電器「MagSafeデュアル充電パッド」について、使い勝手や充電性能などについてレビューします。
MagSafeデュアル充電パッドをじっくり評価
Appleが10月にiPhone12シリーズと同時に発表しながら、発売時期が明確に発表されないままだった「MagSafeデュアル充電パッド(英語名は「MagSafe Duo」)」が、12月2日に発売されました。
「MagSafeデュアル充電パッド」は、別売の27W以上のUSB Type-C電源アダプタ使用時でも充電能力が最大14Wで、1デバイスのみ充電可能なMagSafe充電器(最大15W)に見劣りしますが、実際の充電能力にどの程度差が出るのかなど、実際に使いながら、細かくチェックしてみました。
意外と重い、という第一印象
MagSafeデュアル充電パッドの外箱を手にした印象は「思っていたより大きくて重い」というものでした。外箱のサイズは、先に発売されたMagSafe充電器2個分といったところです。
同梱物は、長さ1メートルのUSB-C – Lightningケーブルと、シンプルな取扱説明書です。電源アダプタは同梱されていないので、別途用意する必要があります。
本体は、簡単に二つ折りできて、iPhone用とApple Watch用の充電器はマグネットどうしがかなり強い磁力で貼り付きます。
重量は133グラムでした。
真っ白な表面の素材感は滑らか、表面にエンボス加工されたAppleロゴが印象的です。色の白さゆえに、汚れが目立ちそうな印象を持ちました。
付属のUSB-C – Lightningケーブルは、Apple Watch側のコネクタにつないで給電します。iPhoneに直接挿せば、高速充電が可能です。
MagSafeデュアル充電パッドのiPhone用充電器部分は、単体充電用のMagSafe充電器と、同じサイズです。
マグネットによるiPhone固定は強力!
iPhone12 Pro MaxとApple Watchを充電した状態です。Apple Watchは簡単に取り外すことができます。
iPhone12 Pro Maxは、Apple純正のMagSafe対応レザーケースを装着した状態、ケースなしの状態ともにしっかり固定され、iPhone12 Pro Maxをぶら下げても大丈夫なほどです。
充電速度をチェック!
MagSafeデュアル充電パッドの充電性能を、しっかりテストしてみました。
比較対象にしたのは、以下の充電方法です。30W出力USB-Cアダプタには、以前レビューでご紹介したRAVPower製の急速充電器「PC120」を使用しています。
MagSafeデュアル充電パッドは、iPhone12 Pro MaxとApple Watch Series 5を同時に充電しています。
ワイヤレス充電器の比較対象として、iPhoneには7.5Wで充電できるベルキンの「BOOST↑UP ワイヤレス充電スタンド」でも充電しています。
iPhoneは、iPhone12 Pro Maxのバッテリーを残量40%から、30分間でどこまで充電できるかを計測しました。
Apple Watchは、Apple Watch Series 5の充電速度を、MagSafeデュアル充電パッドとApple Watchの付属ケーブルで、30分間での充電量を比較しています。
iPhone12 Pro Maxの充電速度
30分間の充電速度テストでは、USB-Cアダプタとの有線接続による高速充電が圧倒的な速さをみせました。MagSafeデュアル充電パッドは、Apple Watchを同時充電していることを考慮すると妥当な充電速度に思えます。
- 30W出力USB-CアダプタとMagSafeデュアル充電パッド:40%→62%(+22)
- 30W出力のUSB-CアダプタとMagSafe充電器:40%→64%(+24)
- 10W出力のUSBアダプタと7.5W出力のワイヤレス充電器:40%→59%(+19)
- 従来のApple同梱品である、USB 5WアダプタとUSB-Lightningケーブル:40%→53%(+13)
- 30W出力のUSB-CアダプタとUSB-C – Lightningケーブル:40%→80%(+40)
なお、バッテリー残量を短時間で一気に回復させたい!という時は、MagSafeデュアル充電パッドに挿さったLightninコネクタをiPhoneに直接挿せば、一気にバッテリー残量を回復させることができます。
Apple Watchの充電速度
Apple Watch Series 5についても、30分間の充電でバッテリー残量の変化を測定しました。従来の付属品とMagSafeデュアル充電パッドの間で、充電速度にほぼ差がありませんでした。
- 従来の付属品である5W電源アダプタと充電ケーブル:25%→62%(+37)
- 30W出力USB-CアダプタとMagSafeデュアル充電パッド:17%→53%(+36)
荷物の削減効果は?
MagSafeデュアル充電パッドを使うとiPhoneとApple Watchを同時に充電できることで、旅行などの荷物をどの程度コンパクトにできるのか、検証してみました。
USB-CとUSB-Aの両方を出力できる電源アダプタ、USB-C – Lightningケーブル、Apple Watch付属品の充電ケーブルのサイズはこの程度です。ケーブルはどちらも付属品なので、追加で発生するコストは急速充電器の約3,200円のみです。重量の合計は164グラムでした。
MagSafeデュアル充電パッドの場合、充電器はUSB-Cだけに対応したコンパクトなモデル、USB-C – Lightningケーブルを一緒に持ち運ぶだけで済みます。ただし、MagSafeデュアル充電パッドと充電器の合計で約19,000円のコストがかかっています。
なお、3点合計の重量は212グラムで、重量面でのメリットは薄そうです。
結論:誰にでもお勧めはできない
MagSafeデュアル充電パッドを利用すると、荷物をコンパクトにできますし、いざという時は高速充電もできるのは利点です。
とはいえ、利用に必要なコスト、MagSafeデュアル充電パッドの重さを考えると、誰にでもおすすめできるものではない、というのが正直な印象です。
今後、強力なマグネットで固定しながら充電できるという機能性を活かし、さまざまなアイデアを取り入れたMagSafeアクセサリが発売されることに期待したいと思います。
(hato)