武田総務大臣、ドコモの値下げ報道に「国民の実感につながる値下げを」と期待語る
武田良介総務大臣は、12月1日の記者会見で、NTTドコモの料金値下げ報道に関する質問に答えたほか、大手キャリアの中途解約金引き下げは「まやかし」と批判しました。また、菅義偉総理大臣から、携帯料金の引き下げについて重要政策なので結論を出すよう指示があった、と明かしました。
ドコモの値下げ報道にコメント
武田総務大臣は、NTTドコモがメインブランドでの料金値下げと、新ブランドでの新料金プランの導入を準備しているとの報道について問われました。
武田大臣は「それぞれの経営的戦略に基づいた判断だと思う。個別のコメントは差し控える」としつつも、コロナ禍で携帯料金が家計の負担となっていることに触れ「国民が、軽減された実感を味わっていただけるような環境を作ってほしい」と期待を語りました。
中途解約金の引き下げは「国民を欺いている」
11月27日の大臣記者会見で、大手キャリアがメインブランドからサブブランドへの乗り換えに対して、高額な手数料と複雑な手続きという障壁を設けていると批判したことについて、手数料として示した15,500円には、原則無料化が決定されたMNP転出手数料や、2019年に1,000円に引き下げられた中途解約金が含まれており、すでに是正が進んでいるのではないかとの質問を受けました。
武田大臣は、是正策について「走っている政策だと思いますか」と記者に質問を返し、「MNP手数料は」という答えに「それ自体がまやかしなんです」と切り返しました。
武田大臣は、中途解約金(9,500円)廃止が2019年秋の電気通信事業法改正以降に新規契約したユーザーにしか適用されておらず、それ以前からの契約者には中途解約金の負担が残っている、と指摘し「そんなのって、ありえますか?」と語気を強めました。
そして、「本当の実態を隠して、表のきれい事ばかりで国民を欺いている」「ほとんどの方が恩恵にあずかれない制度は、全く改革になってない」と、大手キャリアの姿勢を強い口調で批判しています。
料金引き下げの恩恵を被るのはMVNO
武田大臣が公共性や社会への還元を強調して携帯料金の値下げを求めていることに対しては、「制度が伴わない料金引き下げは、短期的にはユーザーに魅力的でも、中長期的にはMVNOや楽天モバイルに影響が大きく、結果として大手3社の寡占化を後押しすることになるのではないか」との質問が飛びました。
武田大臣は、「大手3社の寡占化を後押しするわけがない」と断言し「異常な環境を正常化するために努力している」と語り、MNVOが犠牲になることはない、恩恵を一番被るのはMVNOであり、それによって初めて公正な市場競争が生まれる、と熱弁しました。
さらに「政治や行政の力で値段を上げ下げするのは適切ではない」とも語り、国民にわかりにくい障害を取り払うことが、競争原理が働く市場環境を作る近道だ、と強調しました。
菅総理「コロナ禍の重要政策。しっかり結果を」
武田大臣は、菅義偉総理大臣と携帯料金引き下げの話をしていたのではないか、と記者に問われると、今後の進め方について、方針を報告した、と説明しました。
菅総理からは、コロナ禍における重要な政策なのでしっかり結論を出すように、との指示があったと語っています。
武田大臣の記者会見の模様は、総務省が公開したこちらの動画でご覧ください。
Source:総務省
(hato)