Apple TV+とNetflix、税金回避しているとしてベトナム政府が批判
Apple TV+とNetflixが本来納めるべき税金を回避し、国内企業が不利な競争を強いられているとして、ベトナム政府が懸念を示しています。
税金やコンテンツで不利な競争
「国内企業は納税義務があり、コンテンツ規定を遵守する必要があるが、外国企業はそうではない。不利な競争だ」と語るのは、ベトナムのグェン・マイン・フン情報通信大臣です。
Reutersによると、同国の情報通信省が問題にしているのはApple TV+とNetflixで、この2つの動画ストリーミングサービスだけで1兆ドン(約45億円)近くの収益を上げ、100万人の視聴者を有しているにもかかわらず、国内で税金を支払っていないことが問題視されています。
さらに、フン情報通信大臣はNetflixを名指しし「一部のコンテンツが国の歴史や自治権、暴力や薬物、性などの関する規定をぞんざいに扱っている」と、配信内容にも問題があると指摘しました。過去にNetflixは政府当局の要請に従って、ベトナム戦争をテーマにした映画「フルメタル・ジャケット」の国内配信を取り止めた経緯があります。
巨大テック企業の納税は課題
今回のベトナムに限らず、“GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)”や““FAANG(Facebook、Amazon、Apple、Netflix、Google)”といった巨大テック企業は、しばしば税金の支払い場所や方法で批判に晒されてきました。
例えば、Appleはアイルランドと特殊な契約を結び、収益を同国の法人に集めることで法人税を不当に圧縮した疑いが持たれており、欧州連合(EU)から巨額の制裁金を課せられています(ただし、欧州裁判所は疑惑について「証拠不十分」と判断)。
最近はこうした巨大テック企業の節税を牽制すべく、経済協力開発機構(OECD)の主導で、活動実態に応じて各国が税金を正しく受け取れるよう、国際的な枠組みを取りまとめる動きも見られます。
Source:Reuters via AppleInsider
(kihachi)