取引停止となったPegatron、不足分のiPhone12はFoxconnが生産か

Apple サプライヤー責任進捗 報告書 2019

Apple サプライヤー責任進捗 報告書 2019
 
Appleの定める労働基準に違反したことで、同社はPegatronとの新規取引を一時停止しました。これによってPegatronに割り当てられていたiPhone12シリーズの量産は、Foxconnが担う見込みです。

FoxconnやWistronがカバー

学生が深夜労働や時間外労働に従事させられていたとして、AppleはPegatronとの新規取引を問題が改善されるまで見合わせると発表しました。
 
iPhone組み立てサプライヤーのうち、iPhone12シリーズの量産分担比はFoxconnとPegatronが8:2か7:3だと考えられています。とりわけPegatronは、iPhone12/12 miniを中心に手掛けているため、取引停止による供給への影響が気になるところです。
 
しかしサプライヤー事情に詳しい経済日報によると、Foxconnの中国・鄭州や深圳の工場で、Pegatronが担当していたぶんを供給できるだけの用意があるそうです。
 
また、iPhone12以前のモデルもPegatronは生産していますが、これについてもFoxconnとWistronがインドに設立している組立工場などでカバーする見込みです。経済日報は、今回の取引停止によって、2021年はインドの存在感が一層強まるだろうと指摘しています。

サプライヤーの勢力図変わる可能性も

iPhoneの組み立てを担ってきたサプライヤーは、Foxconn、Pegatron、Wistonの三社です。
 
彼らは“御三家”として長年大きな存在感を放ってきましたが、Wistronが中国工場をLuxshareに売却しインドへ軸足を本格的に移したことで、組み立てサプライヤーの関係にも変化が訪れています。
 
とりわけFoxconnはLuxshareの台頭に気が気でないようで、自分たちのシェアを奪われまいと対策チームを組んだことも報じられていました。今回のPegatron取引停止についても、一時的な処置だと考えられていますが、この出来事をきっかけに勢力図が変わる可能性を秘めています。
 
 
Source:経済日報
Photo:Apple
(kihachi)

この記事がお役に立ったらシェアお願いします

この記事を書いた人

丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

特集

目次