暗号化メールのProtonMailが「Appleにアプリ内課金を強いられた」と主張

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米下院が先日公開した報告書によって、暗号化され匿名性の高いメールサービス「ProtonMail」に対し、Appleがアプリ内課金(in-app purchases)を設けるよう要求していたことが分かりました。

報告書から新たに判明

巨大テック企業の反トラスト法(独占禁止法)違反を審議する米下院の委員会は6日、デベロッパーの証言などをもとに報告書をまとめ「App Storeは独占的であり、Appleに有利」と結論を下しました。報告書は公開されており、Appleの元従業員が「規約を兵器のように扱っている」と証言していたことも判明しています。
 
そして新たに報告書の中から、AppleProtonMailに対してアプリ内課金を強制するかのような行為を取っていたことが分かりました。ProtonMailは誰が送ったのか特定できないような、暗号化され匿名性の高いメールアドレスを提供する人気サービスで、基本は無料で利用することができます。
 
しかしProtonMail側の証言では、App Storeに公開し2年が経過してから突然、Appleがアプリ内課金でマネタイズするよう要請してきたそうです。また、仕様変更をユーザーにメールで伝えようとしたところ、アプリをストアから削除し、全てのアップデートをブロックするとAppleが警告してきたとも証言しています。

「報復を恐れている」

Appleは9月にアプリ内課金に関する規約を変更、Webベースの無料メールアプリはこうした要請の対象外となりましたが、ProtonMailのアンディ・イェン最高経営責任者(CEO)は報復を恐れて、未だにアプリ内課金を設けたままにしている(=Appleに30%の手数料を支払う)と述べています。
 
イェンCEOはマフィアに例えて「報復を恐れている」「人々は沈黙する他なくなっている」と述べますが、対Appleの戦略であることは間違いないでしょう。ProtonMailは先日、Epic GamesやSpotifyなどとともに“反Apple税連合”を結成しています。

過去にはWordPressも同様の主張

事実であれば衝撃的な内容ですが、実はAppleからこのような要請を受けたと主張するのはProtonMailだけではありません。
 
Webサイトを管理するサービス「WordPress」も8月末、「iOSユーザーをApp内課金以外の購入方法に直接または間接的に誘導したり、他の購入方法について発信する情報を通して、ユーザーがApp内課金を利用する意欲を低下させたり」していると突如判断され、アプリ内課金機能を追加しない限り、アップデートをロックすると要求されていたことが発覚しています。
 
WordPress側はアプリ外課金のリンク表示を削除することでロック解除を求めましたが、Appleは当初拒否したとされています(その後は認める方針へと変更)。
 
 
Source:iPhone Hacks,The Verge(1),(2)
(kihachi)

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