Apple、アメリカの聴覚障害者大学と連携、全学生と教員にiPad Pro提供
Appleは、米ワシントンD.C.にある聴覚障害者のための大学であるギャローデット大学と連携し、学生と教員にiPad ProとApple Pencilを提供するほか、アプリ開発支援、世界開発者会議(WWDC)への出席機会などを提供します。
全学生にiPad Proを提供
ギャローデット大学のロベルタ・コーダノ学長は現地時間8月26日、Appleと多面的パートナーシップを結び、学びにおけるアクセシビリティ向上、学習成果と就職機会の拡大を目指すと発表しました。
ちょうど1年前にコーダノ学長がティム・クック最高経営責任者(CEO)に、アクセシビリティに優れた製品とサービスを提供していることへの感謝を伝えるアメリカ手話と英語のビデオメッセージを送ったことから、同大学の学生によるApple訪問などの交流が始まったそうです。
2020年秋から、学生と教員全員にiPad Pro、Apple Pencil、Smart Folioが提供され、学習・教育に活用されます。
学生にはWWDCへの参加機会を提供
Appleとのパートナーシップによりギャローデット大学は、Appleが提供する奨学プログラムに障害を持つ有色人種の学生が参加する最初の大学となります。
学生はアメリカ手話と英語の2言語で使えるアプリの開発支援を受けられるのに加え、例年世界各地から5,000人を超える開発者が集まる世界開発者会議(WWDC)に参加する機会も得られます。
Apple Storeへの採用プログラムも提供
キャリア開発の機会として、AppleはワシントンD.C.北西部にある直営店「Apple Carnegie Library」への採用プログラムも提供します。同店舗には、30名以上の聴覚に障害を持つ従業員が勤務しており、ギャローデット大学の学生や卒業生も多く含まれています。
5月にAppleが公開した「Today at Apple」の動画セッションにも、無料アプリ「Clips」を使った動画作成を手話で紹介するApple Carnegie Libraryに勤務するガスさんが出演していました。
「誰にでも使いやすい製品」を目指し続けるApple
Appleは以前から、「誰にでも使いやすい製品こそが最高の製品」という開発哲学を持ち、アクセシビリティに配慮した製品開発に取り組んでいます。
5月には、「Global Accessibility Awareness Day」にあわせて視覚、聴覚、身体機能、学習を手助けする機能をまとめた「アクセシビリティ」のWebページをリニューアルしています。
秋に公開されるiOS14/iPadOS14では、火災報知器やドアベルなどの音をiPhoneやiPadが認識するとユーザーに知らせる機能や、FaceTimeのグループ通話で手話を使っている参加者を自動拡大する機能も追加されます。
ティム・クックCEOは手話の絵文字を添えてツイート
Appleのティム・クックCEOは、ギャローデット大学とAppleのパートナーシップ発表について、「ギャローデット大学とともに、学びをよりアクセシブルにし、学生たちに素晴らしい機会を提供できて嬉しいです」と手話や補聴器の絵文字を添えてツイートしています。
Great to work alongside @GallaudetU in making learning more accessible and creating greater opportunity for their students!? ?? ? https://t.co/1xErWMiRR8
— Tim Cook (@tim_cook) August 27, 2020
ロベルタ・コーダノ学長は、アメリカ手話によるビデオメッセージを公開しています。
Source:ギャローデット大学 via MacRumors
(hato)