シニアのスマホ利用率は77%、スマホ非利用者の44%がスマホに乗り換え検討

    iPhone7/Photo Mix from Pixabay

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    MMD研究所は8月6日、60歳〜79歳の男女を対象とした「2020年シニアのスマートフォン・フィーチャーフォンの利用に関する調査」の結果を発表しました。スマートフォンの利用率は77%で過去最高を更新し、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた緊急事態宣言後は、スマホでのショッピングや友人・家族との会話、ゲームなどを楽しむ時間が増えています。

    スマホ所有率は77.0%で過去最高を更新

    MMD研究所の「2020年シニアのスマートフォン・フィーチャーフォンの利用に関する調査」は、60歳〜79歳の男女10,000人を対象とした予備調査の回答者から、「スマートフォン所有者」500人と、「フィーチャーフォンまたはガラホ(4GLTEケータイ)所有で、スマートフォンへの乗り換え検討者」500人を対象としてインターネットで実施しています。調査期間は2020年7月22日~7月26日です。
     
    モバイル端末の所有率は92.9%で、メインで利用しているモバイル端末は「スマートフォン」が77.0%で、「フィーチャーフォン」の17.3%、「ガラホ」の5.7%を大きく上回りました。
     
    MMD研究所 「2020年シニアのスマートフォン・フィーチャーフォンの利用に関する調査」
     
    MMD研究所が2012年から実施しているシニア向け調査で、携帯電話所有者に占めるスマートフォン利用率は年々高まっており、2012年(12.7%)と2020年を比較すると、64.3ポイント増加しています。
     
    なお、フィーチャーフォンとスマートフォンの比率は、2017年に逆転しています
     
    MMD研究所 「2020年シニアのスマートフォン・フィーチャーフォンの利用に関する調査」
     
    一方、フィーチャーフォンの利用率は年々低下しており、2012年(87.3%)と比較して2020年は70.0ポイント減少しています。
     
    MMD研究所 「2020年シニアのスマートフォン・フィーチャーフォンの利用に関する調査」
     

    ガラケー・ガラホ利用者のスマホへの乗り換え意向は約4割

    フィーチャーフォンまたはガラホの利用者に聞いたスマートフォンへの乗り換え意向は「いますぐにでも乗り換えたい」が2.9%、「いますぐにではないが、乗り換えを検討している」が41.1%でした。合計すると44.0%がスマートフォンへの乗り換え意向を持っています。
     
    MMD研究所 「2020年シニアのスマートフォン・フィーチャーフォンの利用に関する調査」
     

    緊急事態宣言後、スマホ所有者の26.8%が利用増

    通信会社の回線契約があるモバイル端末の所有者に、2020年4月に緊急事態宣言が発令された後のモバイル端末の利用時間を尋ねたところ、「増えた」が6.3%、「やや増えた」が15.8%で、合わせて22.1%が利用時間が増えたと回答しています。
     
    端末別に見ると、スマートフォン所有者では利用時間が増えたとの回答が26.8%でした。
     
    MMD研究所 「2020年シニアのスマートフォン・フィーチャーフォンの利用に関する調査」
     

    外出自粛でのスマホ活用方法は買い物、会話、ゲームなど

    外出自粛期間中に、新しく始めたことや頻度が増えたこと(複数回答可)の上位は「部屋の片づけ」18.2%、「映画・ドラマの視聴」16.2%、「散歩」と「家の中でできる運動」がともに13.7%などと続きました。
     
    「ない」という回答も48.0%ありました。
     
    MMD研究所 「2020年シニアのスマートフォン・フィーチャーフォンの利用に関する調査」
     
    新しく始めたことや頻度が増えたことについて、スマートフォンを活用したかを尋ねたところ、スマートフォンを活用した人が54.1%と過半数を占めました。
     
    MMD研究所 「2020年シニアのスマートフォン・フィーチャーフォンの利用に関する調査」
     
    新しく始めたこと、頻度が増えたことのうち、スマートフォンを使った行動はオンラインショッピング」17.0%、「家族・友人との音声通話」14.6%、「ゲーム」13.8%、「散歩」13.6%などが上位に並んでいます。
     
    MMD研究所 「2020年シニアのスマートフォン・フィーチャーフォンの利用に関する調査」
     

    コロナ禍での支払い方法、カード類とQR決済が増加

    モバイル端末所有者が、最近3カ月間の買い物で利用頻度が増えたと回答した割合の高い決済方法は「クレジットカード、デビットカード、プリペイドカード」が21.7%でトップ、次いで「QRコード決済」の14.5%が続いています。
     
    現金は、利用頻度が減ったとの回答が24.4%でした。
     
    MMD研究所 「2020年シニアのスマートフォン・フィーチャーフォンの利用に関する調査」
     

    スマホ利用開始理由トップは「LINEなどのコミュニケーションツール」

    スマートフォン所有者の、スマートフォンを利用し始めたきっかけ(複数回答可)のトップ3は、「LINEなどのコミュニケーションツールを使いたかった」25.6%、「家族にすすめられた」24.8%、「地図・ナビゲーションを利用したかった」19.8%でした。
     
    MMD研究所 「2020年シニアのスマートフォン・フィーチャーフォンの利用に関する調査」
     
    スマートフォンへの乗り換え検討者の、スマートフォンを利用してみたいと思ったきっかけ(複数回答可)のトップ3は「3G回線がもうすぐ終了するから」26.4%、「災害などの際に持っていたほうがいいと思った」21.2%、「地図・ナビゲーションを利用したかった」18.2%でした。
     
    MMD研究所 「2020年シニアのスマートフォン・フィーチャーフォンの利用に関する調査」
     
    スマートフォン利用者に、新型コロナウイルスが拡大する中で、スマートフォンを利用していて良かったこと(複数回答可)のトップ3は、「情報収集がしやすい」26.6%、「家族・友人との音声通話が無料で出来る」25.0%、「暇な時間を潰せる」17.8%でした。
     
    MMD研究所 「2020年シニアのスマートフォン・フィーチャーフォンの利用に関する調査」
     

    3G停波とコロナ対策、スマホ利用者増加に拍車か

    シニア世代のモバイル端末利用者に占めるスマートフォン所有率は77%と、過去最高を更新しました。
     
    各社が、2022年から順次3Gサービスの提供を終了するのを前に、フィーチャーフォンからスマートフォンへの乗り換えを促進するキャンペーンを実施していることもあり、シニア世代のスマートフォン利用率がさらに高まるのは確実でしょう。
     
    新型コロナウイルスへの対策が必要とされる中、スマートフォンを使えば顔を見て「オンライン帰省」できるほか、現金を使わない非接触決済が便利に利用できることなども、スマートフォン利用者の増加をさらに後押ししそうです。

     
     
    Source:MMD研究所
    Photo:Photo Mix/Pixabay
    (hato)

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