Appleなどのシリコンバレー企業、従業員にリモートワークを推奨も課題が山積

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Appleを始めとするシリコンバレー企業は、新型コロナウイルスの感染拡大を懸念し米国でいち早く従業員にリモートワークを推奨しましたが、業務環境の移行は思ったよりもスムーズにいっていないと米メディアThe Wall Street Journalが伝えています。

世界中の多くのAppleオフィスがリモートワーク推奨対象に

Appleは本社である米カリフォルニア州クパチーノのApple Parkで働く従業員に在宅での業務を奨めている、と現地時間の3月6日に報じられましたが、そのわずか数日後には米カリフォルニア、シアトル、韓国、日本、イタリア、ドイツ、フランス、スイス、英国のAppleオフィスもリモートワークの推奨対象となりました
 
Appleなどの世界的なテック企業はリモートワークへの対応を卒なくこなしていると思われがちですが、実際には課題が山積していることがWSJの報道で明らかになりました。

情報セキュリティポリシーが思わぬ形で障害に

Appleにとってリモートワーク推奨の妨げとなっているのは、同社の秘密保持契約です。Appleは兼ねてから発表を控えている新製品や、現在開発中の技術、プロジェクトについて秘密主義的な態度を貫いてきましたが、リモートワーク推奨下では、従業員が社外から内部システムにアクセスできないなど、情報セキュリティポリシーが思わぬ形で障害となっているようです。
 
未発表の製品の本社からの持ち出しも制限されているため、多くのエンジニアが本社への出勤を継続せざるを得ない状況となっている、と伝えられています。セキュリティ上の規制を一部弱める施策もとられていますが、極秘プロジェクトの本質が明らかになってしまうようなソフトウェアへのアクセスは依然として厳しく規制されているとのことです。
 
Appleは本社に出社するすべての従業員に対して、セキュリティデスクで毎日健康チェックを行っています。「密度を下げることが重要なんだ」と、オフィス内にスタッフが密集しない状況を作ることの大切さを、Apple従業員の一人は強調しています。

Googleは11万9,000人の従業員にリモートワークを推奨

Googleは、11万9,000人の従業員が在宅での業務が可能になるよう、モニター、ケーブル、その他のスタッフ必須アイテムを配布していますが、要望が多すぎて転覆寸前になっていると報じられています。
 
また、業務の遅れと不確かな納期にしびれを切らした多くのサンフランシスコの従業員たちは、週末に出社し、自身のデスクトップ環境や家族写真などの私物を持ち帰っているとのことです。
 
その結果、Googleオフィスは空き巣が入ったかのような不気味な様子を帯びている、と従業員は語っています。ホワイトボードも一部完全に消されており、当分の間はスタッフが戻ってこないことを示唆する光景も見かけられるようです。

Facebookはコンテンツのふるい分けにスタッフを常駐

Facebookは可能な場合リモートワークを推奨していますが、児童ポルノなどの禁止されたコンテンツを含む写真や動画のふるい分けなど、遠隔で行うにはセンシティブすぎる内容の業務はオフィス内で行っていると伝えられています。
 
「一部のコンテンツのふるい分けは、社外で行うにはセンシティブすぎる」とFacebookの広報担当者はコメントしています。
 
Facebookは、スパム投稿やテロリストのプロパガンダの取り締まりなどのコンテンツ規制に、15,000人のスタッフを雇用しています。
 
 
Source:The Wall Street Journal
Photo:SimonWaldherr/Wikimedia Commons
(lexi)

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この記事を書いた人

ARラボ出身の猫愛好家。往年のMacユーザーで、iPhone使用歴は10年以上。

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