Apple Watchの心房細動を検出する技術は特許侵害?米医師が訴訟


 
心房細動を検出するApple Watchの機能は特許侵害だとして、米国医師がAppleを相手取り訴訟を起こしました。

Apple Watchの技術と同じ?

ジョセフ・ウィーゼル医師が問題にしているのは、自身が2006年3月に取得した特許「心房細動検出のための方法と装置」です。この特許で用いられる光電容積脈波法(PPG:Photoplethysmography)は、LEDライトと光検出器を用いた計測技術です。
 
これはApple Watchに用いられている、緑色LEDライトと感光性フォトダイオード(センサー)を用いた技術と同じであるため、ウィーゼル氏は自身の「心房細動の検出分野を大きく切り開いた」特許をAppleが侵害していると主張しているのです。
 
apple watch センサー led
 
Apple Watch Series 3の登場後、ウィーゼル氏はAppleに特許侵害を通告しましたが、同社は取り引きを拒否したそうです。しかもその後、スタンフォード大学と心臓の鼓動を分析する研究までAppleは行っており、Apple Watchにとって欠かせない技術だとウィーゼル氏は見ています。
 
実際、Apple Watchを装着していたおかげで心房細動にいち早く気づき一命を取りとめた例は、枚挙に暇(いとま)がありません。

今回は実績も権威もある医師

Appleを相手取った訴訟の中には、実態がなく賠償金を目的とした“パテントトロール”と呼ばれる集団からのものも少なくありません。2018年にはパテントトロールと思わしき企業が、Apple Watchの心拍センサーを特許侵害だとして訴えています。
 
しかし今回の事例は、ジョセフ・ウィーゼル氏が心房細動の検出分野で権威であること、ニュースサイトAppleInsiderが「卓越した先行技術に見える」と述べるように、Apple Watchが用いる技術と実際に似通っていることを踏まえると、訴えに説得力がありそうです。
 
 
Source:AppleInsider,Astamuse
Photo:Apple
(kihachi)

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丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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