「Apple Watchの心拍センサーが特許を侵害」米企業、Appleを訴える

Apple Watch

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Apple Watchに搭載された心拍センサーは精度の高さで定評がありますが、Apple Watchの心拍数計測技術が自社の特許を侵害している、と主張する企業がAppleを相手取り訴訟を起こしました。

心拍数異常を非常に正確に検知できるApple Watch

Apple Watch心拍センサーは、非常に高い精度で心拍数を計測可能であることが米カリフォルニア大学スタンフォード大学の研究で明らかになっているほか、心拍数に異常が起きたユーザーの命を救ったケースも複数報告されています。
 
Apple Watchの心拍数測定に使われている技術が自社の特許を侵害している、と主張して訴訟を起こしたのは、米ミシガン州にあるOmni MedSciというスタートアップ企業です。
 
Omni MedSciは、「自分たちは2014年から2016年にかけてAppleと交渉したが、Appleはパートナーシップ締結の話を打ち切り、Apple Watchを発売した」と主張しています。

米北東部の企業が西部のAppleを南部で訴える?

訴訟は、現地時間4月6日に、テキサス州東部の裁判所で起こされています。
 
アメリカ中西部のミシガン州にあるOmni MedSciが、西部のカリフォルニア州にあるAppleを相手取った訴訟を、南部のテキサス州で起こすというのは奇妙に聞こえます。
 
アメリカ 地図
 
米メディア9to5Macによると、テキサス州東部のこの裁判所は、大企業による特許侵害を主張して損害賠償を獲得する、パテントトロール寄りの判決を下す傾向があるようです。
 
2017年に同裁判所は、AppleのiMessageやFaceTimeが自社の特許を侵害した、と主張するVirnetXの主張を認め、Appleに約4億3,970万ドル(約470億円)の賠償金支払いを命じています

正確な測定の根拠は「血液が赤い」こと

Apple Watchの心拍センサーは、「血液が赤いのは、赤色光を反射して緑色光を吸収するからである」という事実に基づいた測定方法をとっています。
 
測定には、本体背面の緑色LEDライトと感光性フォトダイオード、そして赤外線が使われています。
 
Apple Watch 心拍センサー

 
Appleは心拍数計測の仕組みを、公式Webサイトで以下のように説明しています。
 

Apple Watch では、緑色 LED ライトと感光性フォトダイオードを組み合わせて、手首を流れる血液の量を検出します。心臓が鼓動を打つと手首を流れる血液が増え、緑色光がより多く吸収される一方、鼓動と鼓動の間は光の吸収量が減ります。
 
Apple Watch は毎秒数百回 LED ライトを点滅させ、心臓が 1 分間に鼓動を打つ回数、すなわち心拍数を計測します。心拍センサーは、30 〜 210 の範囲の BPM に対応しています。また、信号が弱い場合は LED の明るさとサンプリングレートを上げることで補正されます。
 
心拍センサーは赤外線も使います。Apple Watch がバックグラウンドで心拍数を測定するときや、高心拍数に関する通知用に計測するときは、このモードが使われます。運動中や呼吸セッション中の心拍数の測定や、歩行時平均や心拍変動 (HRV) の計算には、緑の LED ライトが使われます。

 
 
Source:Axios, 9to5Mac, Apple
(hato)

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この記事を書いた人

2013年からライター&編集担当として活動。2007年、駐在中のシリコンバレーで発売直後の初代iPhoneに触れて惚れ込む。iPhone歴は3GS→5s→6 Plus→7 Plus→XS Max→12 Pro Max→14 Pro。

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