スティーブ・ジョブズのプレゼンが印象的な3つの理由

Appleの共同創業者スティーブ・ジョブズ氏は、数々の伝説に加えて、聴く人の印象に残るプレゼンテーションでも知られています。iDropNewsが、ジョブズ氏のプレゼンが印象的な理由を考察しているのでご紹介します。
ジョブズ氏の新製品発表は何が違うのか
スティーブ・ジョブズ氏による新製品発表プレゼンが、聴衆を惹き込み、新製品を印象付けた理由について、iDropNewsのマイク・ピーターソン氏は以下のように分析しています。
1:カリスマ性
スティーブ・ジョブズ氏のプレゼンの迫力には、同氏の人間的魅力と、イノベーションへの情熱、ユーモアが醸し出すカリスマ性が影響しているのは間違いないでしょう。
ユーモアとしては、2007年にiPhoneを発表した際、「iPodと電話とブラウザを1つにした画期的製品」と盛り上げておいて、ダイヤルのついたiPodを表示して聴衆を沸かせたのが有名です。
ジョブズ氏のスピーチを文字起こしした原稿を読んでも、なかなかジョブズ氏のようにはいきません。
なお、ジョブズ氏は「間」の取り方にもこだわり、徹底して練習に重ねていたことでも知られています。
2:フォーマット
マイク・ピーターソン氏は、ジョブズ氏のプレゼンには以下のフォーマットがあった、と指摘しています。
- まずは助走。新製品発表に向けて、聴衆の期待を高めます。
- 転換。「One more thing」などのフレーズで、真打登場のシーンへと場面を転換します。
- そして、発表。ジョブズ氏は、新製品がいかに革新的であるかを説きます。その中で、現在のAppleがほぼ使わない、ライバル製品との比較もよく用いられました。
3:比較
ジョブズ氏は、新製品発表の際に既存のライバル製品との比較をよく使っていました。
iPhoneをはじめ、iPod、MacBook Airを発表した際、ライバル製品と比較してAppleの新製品が優れていることをアピールしていました。
iPhoneを発表した際は、当時「スマートフォン」と呼ばれていた製品と比較し、iPhoneの使いやすさを強調しました。
MacBook Air発表の際は、ソニーの薄型ノートパソコンと比較し、その薄さを表現しました。
一方、ティム・クック氏が最高経営責任者(CEO)に就任してからのAppleは、Apple Watch、HomePod、AirPodsなどの新製品発表で、他社製品について言及することはありません。
そのため、「画期的な新製品」という印象を与えにくくなっている、とピーターソン氏は指摘しています。
一方で、Google、Samsung、MicrosoftなどはAppleを標的にした比較広告を積極的に展開しており、Appleが集中砲火を浴びている状態です。
ジョブズ氏亡き後、Appleのプレゼンはインパクトを失った?
偉大な共同創業者を失った後も、Appleは成長を続け、時価総額は1兆ドルを突破しています。
しかし、現在のAppleによる新製品発表のプレゼンに、ジョブズ氏時代のようなインパクトは感じられません。
ピーターソン氏は、多くのAppleファンが、今後もジョブズ氏のプレゼンを振り返り、懐かしみ続けるだろう、と記事を締めくくっています。
ジョブズ氏による主な新製品発表の動画はこちら
2001年、初代iPodを発表。
2005年、「One more thing…」のフレーズに続いてiPod shuffleを発表。
2007年、「電話を再発明」としてiPhoneを発表。
2008年、「世界一薄いノートブック」としてMacBook Airを発表。
Source:iDropNews
Photo:YouTube (1), (2), (3)
(hato)