Appleも対象に?アメリカ上院議員が中国へのデータ流出を防止する法案を提出
アメリカの上院議員、ジョシュ・ホーリー氏が、アメリカの利益を保護するため企業がユーザーデータや暗号化キーを中国に転送することを禁止する法案を提出しました。この法案は潜在的にAppleも対象となると予想されるため、その審議の行方が注目されます。
iCloudサービスに影響?
ホーリー上院議員が提出した法案は、大まかに言うとアメリカ企業がユーザーデータまたは暗号化キーをアメリカの国家安全保障を脅かす中国およびその他の国に転送することを禁止するものです。この法案がAppleのサービスを名指しで規制することはないのですが、Appleは2018年にiCloudの暗号化キーを中国企業が運営する中国のサーバーに移行しているため、影響を受ける可能性があります。
Appleは、中国のiCloud暗号化キーの管理は独立を維持しており、中国政府が自由にアクセスできる状態にはなっていないと主張しています。しかし専門家は、中国政府の司法プロセスに則った令状の執行を通して、いつでもAppleがパスワードなどの引き渡しを余儀なくされる可能性があると指摘しています。
そのためこの法案が成立すると、中国におけるiCloudの現在の事業モデルが法律で禁止される可能性が出てきます。法案がすぐに可決される可能性はそれほど高くなさそうですが、審議の行方は注目されています。
何が起こるかわからない
Apple製品の製造は中国を抜きにしては語れません。またiPhoneの主要な市場として中国は非常に重要なポジションを維持しています。そのためAppleの業績にアメリカと中国の関係は大きな影響を及ぼします。
振り返れば、中国に強行姿勢をとるトランプ大統領の当選も当初はほぼ不可能と考えられてきました。ネットメディアでも”仮に”トランプ氏が当選すればiPhoneの価格が跳ね上がるというネタとして同氏を扱っていたのですが、選挙の結果トランプ氏は当選してしまいました。当選後は中国との貿易に対して保護主義的な態度を鮮明にし、Appleの業績にも強い影響を及ぼしています。
この事実を踏まえると政治の世界は何があるかわかりません。今回提出されたホーリー氏の法案の審議がどのように進むのかには注意が必要かもしれません。
Source:AppleInsider
(KAZ)