ジャパンディスプレイ決算発表 ようやく明るい兆しも

    JDI ジャパンディスプレイ ロゴ

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    11月13日、Appleのサプライヤーであるジャパンディスプレイ(JDI)が2019年9月中間連結決算を発表したことをReutersが伝えています。相変わらず赤字からは抜け出せていないものの、iPhone11の好調な販売を受けて10月の純利益は黒字化し、11月には同社初となるOLED(有機EL)の出荷を予定するなど、将来に期待を持たせる内容も盛り込まれています。

    Appleのサプライヤー2社 明暗くっきり

    JDIが発表した資料によりますと、2019年第2四半期(7月〜9月)の純損益は約254億円で、前年同期比で約3倍に膨らんでいます。同社は収益の半分以上をAppleに依存していますが、iPhone販売台数の低下やiPhone用OLED採用の遅れ等の原因により、経営危機が続いている状況です。
     
    一方、同日発表されたiPhoneの製造等を手がける台湾のFoxconnの四半期決算は前年同期比で1.2倍以上の増益となっています。アクセサリーメーカーのベルキンを買収するなど収益構造を多角化しているFoxconnの決算は、JDIとは対照的なものとなった格好です。

    将来への期待も

    ただJDIも、10月単月で見ればiPhone11の好調な販売の恩恵を受けて営業利益、純利益ともに黒字化しており、11月にはようやくOLED(有機EL)の初出荷を予定するなど、明るい兆しも見えています。関係者によりますと、同社の財政再建にあたってはAppleが2億ドルを出資する予定とのことです。またJDIは、香港に拠点を置く資産運用会社Oasis Managementから、1億5,000万ドル〜1億8,000万ドルの出資を受ける見込みだと述べています。
     
    12月15日以降は米国の対中関税の15%引き上げが予定されており、ティム・クック最高経営責任者(CEO)がトランプ大統領とテキサス州のApple施設を訪問する予定と報じられるなど、Foxconnとしても安穏としてはいられない状況です。
     
    Apple製品を巡るサプライヤーの動きからしばらく目が離せません。
     
     
    Source:ジャパンディスプレイ(PDF),Reuters,WSJ
    (誠)

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