ジャパンディスプレイ、OLEDパネル量産化を2020年中に決断

経営危機に苦しむジャパンディスプレイ(JDI)の菊岡稔社長が、次世代スマートフォンの多くが搭載するとみられる有機EL(OLED)パネルの量産化について、来年中に決断を下すと発言しています。
来年中には量産するかどうかを決断
9月に同社の社長に就任した菊岡氏は17日のインタビューで、2021年頃にOLED搭載スマホの波が来ることを考えると、来年中には量産するかどうかの決断を下す必要があると述べました。設備の搬入など準備期間に1年以上を要するためです。
現在OLED市場のシェアの80%以上をSamsungが握っていますが、菊岡社長は「もう1社強いところに入ってほしいというニーズがどこまで強いかにより、われわれの道は変わる」とも述べています。
合弁会社設立の可能性も示唆
ただしスマホ向けOLED量産には数千億円規模の投資が必要となるため、企業やファンドからの資金調達のほか、合弁会社のような形でパートナーとともに生産するという選択肢も検討しているとのことです。この背景には、自前設備をピーク時に合わせて配置したものの、液晶が成熟化するなかで過剰になってしまったことへの反省があります。
なおJDIは小型OLEDパネルについては、Apple Watch Series 4から少量ながら供給を開始しており、Apple Watch Series 5向けにも供給しているといわれています。
iPhone11売上好調で恩恵あり
JDIのApple依存度は高く、売上の6割をAppleから上げています。9月に発売となったiPhone11が好調なおかげで、同モデルに向けて液晶パネルを出荷しているJDIも「恩恵を受けている」とのことです。
Appleが同社への出資額を倍増したとの報道もありますが、JDIが今も厳しい状況に置かれていることに変わりはありません。
Source:Bloomberg
(lunatic)