Apple、iPhone4sとiPhone5の所有者にiOSのアップデートを促す
Appleは、2012年以前に発売された一部のAppleデバイスを使用するユーザーに、ソフトウェアアップデートを促すWebページを公開しました。
GPS週数ロールオーバーの問題とは?
UTC(協定世界時)で2019年11月3日午前12時(日本時間の午前9時)からAppleデバイスが影響を受けるといわれる「GPS週数ロールオーバー」とはいったい何なのでしょうか?
内閣府「みちびき(準天頂衛星システム)」のWebサイトには、GPS週数ロールオーバーについて以下のように記されています。
GPSでは「GPS時」と呼ばれる独自の時刻体系が使われています。GPS時はUTC(協定世界時)1980年1月6日午前0時(日本時間の午前9時)を起点としており、(60秒×60分×24時間×7日=)60万4800秒で1週間が繰り上がります。年・月・日や時・分を使わず、現在の時刻を、起点から○週目の○秒目という具合に「週」と「秒」だけで表現する点が特徴です。
一方、「週」数(=週番号)を表現するために割り当てられているのは10ビットなので、0~1023までの数値しか扱えません。値が増えていくと2の10乗、すなわち1024週目にゼロに戻ります。この現象は「GPS週数ロールオーバー」と呼ばれています。
AppleデバイスでGPS週数ロールオーバーの影響を受けるのは、次のモデルです。
アップデート後のiOSのバージョン | デバイス |
---|---|
iOS10.3.4 | iPhone5 iPad (第4世代) Wi-Fi + Cellular |
iOS9.3.6 | iPhone4s iPad mini (第1世代) Wi-Fi + Cellular iPad2 Wi-Fi + Cellular (CDMA モデルのみ) iPad (第3世代) Wi-Fi + Cellular |
Appleは7月末、GPSによる正確な位置情報と正しい日時を維持するために必須のアップデートを、上記のデバイス向けに公開しています。
日本時間11月3日午前9時までに、上記のデバイスが「iOS9.3.6」もしくは「iOS10.3.4」にアップデートされていない場合、以下のことが生じるとAppleは警告しています。
11月3日以前にデバイス用の新しいバージョンのiOSにアップデートしなかった場合、モデルによっては、GPSの正確な位置情報を維持できなくなることがあります。また、正確な日付情報を頼りに働く機能、たとえば、iCloudとの同期やメールのフェッチなども、正常に働かなくなる場合があります。
Source:iPhone や iPad のソフトウェアをアップデートして位置情報や日時の問題を回避する/Apple via みちびき(準天頂衛星システム/内閣府
(lexi)