iPhone11シリーズのバッテリー、前モデルから最大5時間長持ちに!~理由を解明
iPhone11シリーズが前年度のiPhone XSシリーズから大きく変わった点を3つ挙げるとするならば、トリプルカメラ(iPhone11のみデュアルカメラ)の採用、価格の値下げ(iPhone XSは112,800円)、そしてバッテリー駆動時間の大幅増加でしょう。一体何がバッテリー性能の向上をもたらしたのでしょうか。
iPhone史上最長の駆動時間
今回のスペシャルイベントでAppleは、iPhone11シリーズのバッテリー駆動時間について、iPhone11 ProがiPhone XSよりも最大4時間、iPhone11 Pro MaxがiPhone XS Maxよりも最大5時間長くなったと説明しました。iPhone11 Proのバッテリー駆動時間はシリーズ史上最長となります。
(※連続再生時間:ビデオ/音楽)
- iPhone11 Pro:最長18時間/65時間
- iPhone11 Pro Max:最長20時間/80時間
これまでの記録保持者はiPhone XRでしたが(最長16時間/65時間)、その理由はiPhone XRのピクセル密度(326ppi)がiPhone XS/XS Maxよりも低く(≒画質が劣る)、消費電力が抑えられているためでした。
ところが、今回発表されたiPhone11 Pro/Pro Maxはいずれもピクセル密度が458ppiと、iPhone XS/XS Maxと同じ水準に保たれています。
A13 Bionicは消費電力が最大40%減
なぜピクセル密度がiPhone XS/XS Maxと同じiPhone11 Pro/Pro Maxが、バッテリーの駆動時間が4時間~5時間も長くなっているのか――。
Appleによると、これは新たに搭載したA13 Bionicチップの恩恵なのだそうです。
A13は、2つの高性能コアが最大20%速く、消費電力が最大40%少なくなり、4つの高効率コアが最大20%速く、消費電力が最大25%少なくなっています。どちらのコアも、エネルギーの消費を抑えつつ高度な処理が出来るようになったというわけです。同様に8コアのNeural Engineについても、最大20%速く、消費電力が最大15%少なくなったことが明らかにされています。
システム全体が連係し合っている
チップの消費電力が改善されただけではありません。
iPhone11 Pro/Pro Maxの特設ページで、Appleは「より良いバッテリーを作るだけでは、バッテリー駆動時間を最大5時間延ばすことはできない」とし、バッテリー、チップ、ディスプレイ、ソフトウェアといったシステム全体の連係が生んだ賜物だと述べています。
今回新たに採用されたSuper Retina XDRディスプレイではエネルギー効率が15%向上していること(iPhone XSとの比較)、iOS13が最大限効率の良い方法でタスクをチップ全体に振り分けること、Apple独自のパワーマネジメントユニット(PMU)がチップからの電力配分指示を精密にこなすことなど、様々な要素が絡み合ってシリーズ史上最長のバッテリー駆動時間に寄与しているそうです。
なお、消費者向け専門誌Consumer Reportsによる検証の結果、iPhone XS/XS Maxのバッテリー駆動時間は「Appleの公称値以上に長かった」ことが判明しています。となれば、iPhone11シリーズでも同様の期待を抱いて良さそうです。
Source:Apple
(kihachi)