19年第2四半期のMac出荷台数、調査会社の予測が大きく食い違う珍事に

Apple MacBook Pro

Apple MacBook Pro
 
大手調査会社のGartnerとIDCがそれぞれ2019年第2四半期(4~6月)におけるMacの出荷台数を予測したものの、両社の予測が大きく食い違う珍しい事態が発生しています。

普段は大きな差のない予測

たかが調査会社、されど調査会社――。Appleが自社デバイスの出荷台数を公開しなくなった今、外部の人間は調査会社の動向予測に頼るほかありません。
 
この分野で精度が高いとされている代表的な調査企業は、Gartner、IDC、Counterpoint、Strategy Analyticsなどです。正確さに定評があるため、通常であれば各社の予測に大きな違いはありません。例えば2019年第1四半期(1~3月)のMac出荷台数見通しは、Gartnerの397.7万台に対し、IDCは405.8万台でした。
 
ところが、2019年第2四半期ではMac出荷台数見通しについて、Gartnerの371.1万台(前年同期比0.2%減)に対し、IDCは407.7万台(同9.6%増)と予測が大きく食い違っています。PC市場全体でもGartnerの前年同期比1.5%増に対し、IDCは4.7%増と比較的強気な見方を示しています。

どちらかが間違っていることに

Gartnerは、大幅増のLenovo(前年同期比15.9%増)を始めとしてHP、Dellが市場を牽引する一方、Acer(同14.4%減)やAsus、シェア上位以外のベンダーが大幅減となることで、勢いのある企業とそうでない企業で相殺し、市場全体(同1.5%増)としては穏当な出荷台数になると考えているようです。この中でApple(同0.2%減)は中立を保っています。
 
Appleが控え目な数字となった理由について、GartnerはIntelのCPUが供給不足にあることが関係していると述べています。
 
gartner 2019Q2 mac apple 調査統計
 
一方でIDCは、Lenovo(同18.2%増)やHP、Dellの躍進についてはGartnerと同じ見方を示すものの、Acer(同1.7%減)については出荷台数の落ち込みが微減に留まると考えているようです。また、Apple(同9.6%増)は前年同期比で大幅に増加しています。IDCはAppleの増加理由について、新MacBook Proのリリースや、関税を見越した流通チャネルへの積極的な出荷などを挙げています。
 
IDCの分析は総じて各ベンダーへの楽観的な見通しが目立ち、それに伴って全体の出荷台数(同4.7%増)も増加ぶりが顕著となっています。
 
IDC 2019Q2 mac apple 調査統計
 
GartnerとIDCのどちらかが正しいか、あるいは共に間違っているかの二択ですが、ひとまず両社とも7月30日に発表されるAppleの第2四半期決算(Appleの年度では第3四半期)で、予測のための新たな手がかりを得ることになりそうです。
 
【お詫びと訂正】文中のMacの出荷台数が一桁間違っていたため修正いたしました。

 
 
Source:Gartner,IDC via MacRumors,Cult of Mac
(kihachi)

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この記事を書いた人

丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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