ジャパンディスプレイ、Apple WatchのOLEDディスプレイの供給を今年末に開始


 
iPhoneのLCDパネルの生産で知られるジャパンディスプレイが、2019年末からApple Watch有機EL(OLED)ディスプレイの供給を開始する、とReutersが伝えています。

本格的にOLEDディスプレイ市場に参入

サプライチェーンに詳しい2人の人物によれば、Apple WatchOLEDディスプレイパネルの供給の開始をもってジャパンディスプレイはOLEDディスプレイ市場に参入するとのことです。
 
ジャパンディスプレイの代表者は、特定の顧客について述べるのは差し控えたいとコメントしています。
 
ジャパンディスプレイはiPhoneのLCDパネルを現在供給していますが、iPhoneはLCDからOLEDディスプレイへと移行しており、2018年のモデルではLCD搭載はiPhone XRのみとなっています。

道のりは険しいものになる?

2019年現在、Samsung DisplayがiPhoneのOLEDディスプレイの独占的なサプライヤーとなっており、LG DisplayがApple WatchのOLEDディスプレイパネルの多くを供給しています。
 
大手調査会社IHS Markitのシニアディレクターの早瀬宏氏は、今回の動きはジャパンディスプレイにとってポジティプな一歩となるが、これからの道のりは険しいと述べています。
 

iPhoneのOLEDディスプレイパネルの供給へのハードルは高いだろう。Samsung Displayは経験、技術、生産能力を10年以上培ってきた。ジャパンディスプレイはそのようなライバルと競って利益を出すことができるだろうか?

1,100億円超の資本増強を計画

ジャパンディスプレイは、OLEDディスプレイパネルの生産のため1,100億円超の資本増強を行うことを計画していますが、資金の一部は中国のシルクロード基金(絲路基金)から提供されるといわれています。
 
ジャパンディスプレイは特許侵害を避けるため、Samsungとは若干異なる製造法を採用するとみられています。
 
スマートウォッチのスマートフォンとの親和性が向上し出荷台数が伸びたことにより、2018年にスマートウォッチのディスプレイパネルは42%増となる1億4,900万枚が出荷されたことがわかっています。
 
 
Source:Reuters
(lexi)

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この記事を書いた人

ARラボ出身の猫愛好家。往年のMacユーザーで、iPhone使用歴は10年以上。

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