米地方裁、QualcommがAppleに10億ドル支払うよう命じる

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AppleQualcommが争っている泥沼訴訟で、カリフォルニア州の米地方裁判所は13日、Qualcommが10億ドル(約1,100億円)をAppleに支払う必要があるとの仮命令を下しました。

Appleの言い分が認められる

支払い命令が下った10億ドル(約1,100億円)は、QualcommがAppleに対して未払いとなっている「リベート」に相当します。
 
Reutersによると、QualcommとAppleは業務協力契約を結んでおり、iPhoneのサプライヤーがQualcommに支払った特許料を、Appleがリベートとして受け取り、サプライヤーに一部返金するというシステムを採っていました。
 
ところが「Appleと韓国の公正取引委員会(KFTC)とが結託してQualcommを追い込んでいる」という疑惑に端を発する形で、Qualcomm側がリベートの支払いを拒否。先述した契約には、リベート支払いの条件にAppleが提訴したり当局に申し立てたりしないことが含まれていたためです。
 
これに対し、Appleが訴訟を起こしたのが2017年1月なので、今回の仮命令は実に2年越しの“一段落”となります。米地裁は「KFTCへの協力は、合意条件に違反しない」とし、Appleの言い分を認め、未払いとなっていたリベートの支払いをQualcommに命じました。

戦いはまだ始まったばかり

もっとも、今回の仮命令はあくまでも“一段落”に過ぎません。実際の判決は来月まで持ち越しとなるうえ、Qualcommが上訴しないとも限りません。また、Qualcommが特許違反でAppleを訴えている裁判とは別物です。
 
さらにReutersによれば、すでにiPhoneのサプライヤーが10億ドル相当の特許料をQualcommに支払うことを控えているため、実質的にQualcommがリベートを追加で支払う事態にはならないだろう、とのことです。
 
今回の判決にあたって、Appleは「Qualcommの違法な実務がAppleのみならず業界全体を傷つけている」と声明を改めて発表、まだまだ泥沼の戦いは続きそうです。
 
 
Source:MacRumors,Reuters
(kihachi)

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この記事を書いた人

丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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