科学者がスマホをミキサーにかけて構成物質を調査、1台あたり15kgの鉱石が必要?


     
    英プリマス大学の研究チームは、スマートフォンをミキサーにかけ酸化剤で溶かしてどのような物質が含まれているかの調査を行いました。その結果、聞いたことのないような物質が多く含有されていることが明らかになりました。

    ミキサーにかけ500度に熱した酸化剤でデバイスを溶解

    火成岩岩石学の講師のアーヤン・ダイクストラ氏は、「我々は携帯電話に依存しているが、多くの人は中がどのようにできているかを考えない」と述べています。
     
    「調べた結果、その答えがアフリカの紛争地域から来たタングステンとコバルトであることがわかった」
     
    「その他にもネオジム、プラセオジム、ガドリニウム、ジスプロシウムなどの希少価値の高い物質が含まれていることが明らかになった。金、銀などの高価値な物質ももちろん含有されている」
     
    研究者たちは、スマホをミキサーにかけた後、500度に熱した過酸化ナトリウムに入れてデバイスを完全に溶解させました

    1台のスマホを作るのに10〜15kgの鉱石の採掘が必要

    1台のスマホの構成物質を調べた結果、33gの鉄13gのシリコン7gのクロム900mgのタングステン70mgのコバルトとモリブデン160mgのネオジム30mgのプラセオジムが含まれていることがわかりました。
     
    90mgの銀36mgの金も含有されていました。
     
    これを鉱石の重さに換算すると、1台のスマホを作るのに10kg〜15kgの鉱石の採掘が必要であることが判明しました。7kgは金鉱石、1kgは銅鉱石、750gはタングステン鉱石、200gはニッケル鉱石から成っています。

    Appleはリサイクル物質のみでiPhoneを作ることを計画

    Appleは2017年に環境責任に関するレポートの中で、Apple製品は将来的にリサイクルされた資源のみを使用して作られるようになるとの目標を掲げました。
     
    実際にリサイクル資源だけでiPhoneを作るのは多くの困難があるとされていますが、iPhoneを再生してリブランディングして販売する企業が登場するなど、デバイスのリユースの促進も進んでいます。
     
     
    Source:Bloomberg
    Photo:Quincemedia/Wikimedia Commons
    (lexi)

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