携帯キャリア「iPhone XRが一括1円」など大幅値引き、法改正前の駆け込み
大手家電量販店などがiPhone XRを「一括1円」で販売するなど、大手携帯キャリアによる大幅な値引き販売が行われている、と日本経済新聞が報じています。4月から「端末と回線の完全分離」が制度化される前の駆け込み販売とみられます。
「iPhone XRが一括1円」
携帯キャリア各社が、定価84,800円のiPhone XR(64GB)を「一括1円」などの大幅値引きをしている背景には、「端末と回線の完全分離」を義務付ける法律が4月にも成立する可能性があるためです。
筆者も大手家電量販店の携帯電話コーナーを訪れたところ、他社からのMNP契約者を対象に、「縛り」プランへの加入などの条件付きながら「iPhone XRが一括1円」などのキャンペーンが実施されていることを確認できました。
大幅値引きの原資は既存顧客が払う料金
携帯キャリアは、複数年契約の顧客を新規獲得するために、高額なスマートフォンを大幅に値引きして販売しています。
しかし、値引きの原資は既存顧客が支払う高額な料金である構造には問題がある、と総務省が以前から指摘しています。
総務省は携帯キャリアに何度も改善を申し入れていますが、一部の販売代理店独自のキャンペーンとして、端末の大幅な値引き販売が残っていました。
法改正で「完全分離」「代理店の登録制」進めたい総務省
総務省は、有識者会議の緊急提言を受け、電気通信事業法の改正により、端末販売と回線契約の完全分離を義務化するとともに、販売代理店を登録制にして総務省からの直接指導を可能とする方針です。
電気通信事業法は、通常国会で認められれば最短で4月に改正されるものの、調整には時間がかかると報じられており、4月からの制度改正となるかは不透明です。
「スマホは定価で購入、通信料金の引き下げ」進むか
「完全分離」が実施されれば、携帯キャリア各社は回線契約を条件としたスマートフォンの値引き販売ができなくなります。
ユーザーは、スマートフォンは定価で購入し、以前より安い携帯電話料金を払うことになると見込まれていますが、料金水準がどの程度になるかは不明です。
一方で、2014年頃に高額キャッシュバックが問題視された当時と比較すると、「格安SIM」と呼ばれるMVNO事業者が増え、一般的なユーザーでも利用しやすくなっているのも事実です。
Source:日本経済新聞
(hato)