スマホ修理技術を資格化、中古スマホの流通増加を見据え業界団体が年内創設

スマートフォンの高価格化による中古スマホの流通拡大を見越して、中古端末の修理技術の水準を認定する資格制度を、携帯電話の修理業者による3団体が2019年中に導入する、と読売新聞が報じています。
スマホの修理技術を資格として認定
2018年に発売されたiPhone XS/XS Maxのように、各メーカーのフラッグシップモデルのスマートフォンは、今後も高価格が進むだろうと調査会社IDCが予測しています。
新品価格の上昇によって、中古スマホの流通が活発になると見込まれることから、修理技術の水準を認定し資格化することを「携帯端末登録修理協議会」などの業界団体が検討している、と読売新聞が報じています。
「携帯端末登録修理協議会」には、修理業者や大手キャリアが会員として参加しているほか、総務省もオブザーバーとして名を連ねています。
「分離プラン」完全導入でスマホの販売価格は上昇へ
日本の携帯キャリアは近年、2年以上の契約を条件に、本来は高価なスマートフォンの販売価格を毎月の通信料金から割引きして、割安な「実質価格」で販売するビジネスモデルを続けてきました。
この販売方法には、端末価格の割引き原資に長期契約者の利用料金が充てられており不公平だ、との指摘があることから、総務省の有識者会議などは「通信と端末の完全分離」を求めています。
端末価格の割引がない、いわゆる「分離プラン」だと、端末価格への割引額が大きく減少し、ユーザーはほぼ定価で購入することになると見込まれます。その結果、10万円を超える新品のスマートフォンではなく、中古端末を選ぶユーザーが増えると予測されます。
中古スマホに抵抗感じる理由「バッテリーの持ち」がトップ
先日、MMD研究所が公開した調査結果によると、中古スマホを購入することに「抵抗はない」と回答したのは全体の25.7%ほどにとどまっています。
中古スマホに抵抗を感じる理由として最も多かった回答は、「バッテリーの持ちが心配」(全体の56.5%)でした。このほか、上位には「性能の劣化が心配」「故障した時の保証が心配」といった回答も並びました。
スマートフォンのリチウムイオンバッテリーは、品質の悪い部品を使った修理や、質の悪い修理によって発火などの事故を引き起こす可能性もあることから、業界団体としては修理技術の水準を一定以上に保つことで、ユーザーが修理業者を利用しやすくしたい狙いがあるとみられます。
中古端末の修理技術を認定する資格制度が定着し、中古スマホの購入後に故障や破損が生じても、安心して修理に出せるようになれば、消費者が安心して中古スマホを買いやすくなると期待されています。
Source:読売新聞
Photo:iFixit
(hato)