ソニーが3Dセンサーを増産〜モバイル市場からの需要の高まり見越す
Appleを含むモバイル機器メーカーが、ソニーの3Dセンサーに興味を示しており、同社は来年に向けて3Dセンサーの生産を加速させる準備をしている、とBloomberg Quintが報じています。
3Dカメラモジュールの需要が高まるか
ソニーが増産を計画しているのは、リアとフロント両面の3Dカメラモジュールです。3D画像生成のためのソフトウェアツールキットも別に開発を進めているとされています。
3Dカメラ技術といえば、iPhone X以降のデバイスに搭載されているTrueDepthカメラを彷彿させます。深さを測り、物体の3Dマッピングを行うことができます。
ソニーは2015年から収益が伸び悩んでいるといわれていますが、モバイル機器メーカーの3Dセンサーへの興味は、助け舟となるのでしょうか。
今年は世界的に縮小したスマートフォン市場
IT専門調査会社IDCによれば、2018年の世界的なスマートフォンの出荷台数は3%減少したとのことです。スマホ市場は2019年に2.6%しか成長しないと予測されていることから、仮にモバイル機器メーカーがソニーの3Dセンサーへの需要を示したとしても停滞から回復できるほどの収益をもたらすかは定かでないといわれています。
また3Dチップは、カメラが3つ以上ある場合でも正面と背面の2枚しか必要ないとされています。
3Dセンサーのデバイス背面への搭載が始まるか
AppleのiPhone Xは、発表された当初3Dカメラがデバイスの背面ではなく自撮り側に向けられていたことに落胆したユーザーが一部存在しました。
しかしながら、3Dカメラのデバイス背面への搭載はすでに始まりつつあります。HuaweiのサブブランドHonorの最新フラッグシップ機「View 20」は、リアカメラにToF(Time of Flight)センサーを搭載しています。
ToFセンサーは、光を出して、その光が物体に跳ね返り、返ってくるまでの時間を測定し、環境を把握するというものです。ToFは光の少ない環境でも問題なく動作し、比較的単純な装置構成で済むにも関わらず、高い奥行き精度を誇ります。
Apple製品の予測で知られるアナリストのミンチー・クオ氏は、今年の9月に2019年のiPhoneに背面3Dセンサーは搭載されない、との見解を発表しましたが、来年のiPhoneはどのようなものになるのでしょうか。
Source:Bloomberg Quint via 9to5Mac
Photo:ソニー
(lexi)