iPhoneの利益率は年々低下している

    iPhoneXS iFixit

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    iPhone利益率はこの数年間で低下し続けている、という分析結果を米メディアThe Informationが公開しました。

    利益率が最高だったのはiPhone3GS

    最近のiPhoneというと、初めて価格が1,000ドル(日本では12.5万円)に到達したiPhone Xから、高くなった価格に注目が集まりがちです。
     
    しかしThe Informationが公開した、初代iPhoneから最新のiPhone XSまでの製造原価、販売価格、利益率をまとめたグラフからは、利益率(グラフの赤線)は2009年のiPhone3GSをピークとして、緩やかな低下傾向にあることが読み取れます。
     
    Apple iPhone 利益率 The Information
     
    iPhone3GSの利益率は74%でしたが、最新モデルiPhone XSの利益率は60%ほどです。
     
    また、2016年3月に発売されたiPhone SEは、販売価格399ドルのうち、製造原価が186.70ドルを占めており、利益率は53%とiPhoneシリーズ最低となりました。

    最新鋭部品の採用増加で利益率低下か

    iPhoneの利益率低下の傾向は、iPhone Xで採用された2層構造のロジックボードや有機EL(OLED)ディスプレイなど、コストのかかる部品が多用されるようになったためと考えられます。
     
    なお、このグラフに記されている利益率は、販売価格と製造部品の価格から算出したもので、Appleが最近1年間に142億ドル(約1.6兆円)を投じた研究開発費や輸送費、広告宣伝費などは含まれていないことには注意が必要です。

    高い利益率の源泉はストレージ容量?

    Appleのスマートフォン出荷台数シェアは世界で約20%ですが、スマートフォン業界全体の約87%の利益を確保しています。
     
    Appleの高い利益率を支えているのは、ストレージ容量の価格差だろう、とグラフの元データを提供したTechInsightsは指摘しています。
     
    例えば、iPhone XS Maxの64GBモデルと512GBモデルの価格差は350ドル(日本では4万円)ですが、製造原価の差は70ドル(約7,900円)です。
     
     
    Source:The Information via PhoneArena
    Photo:iFixit
    (hato)

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