MVNOの通信速度、動画再生時のギガ消費や画質も比較した調査結果

MM総研は10月11日、MVNOとサブブランド、大手キャリアの合計15サービスを対象に実施したネットワーク品質調査の結果を発表しました。通信速度に加えて、動画をザッピング再生した時のデータ消費量や、動画の再生画質も調査対象としています。
動画再生時の「画質」「ギガ消費」も調査
MM総研による「MVNOネットワーク品質調査結果」は、MVNO10事業者、サブブランド2事業者、大手キャリア(MNO)3事業者の、合計15事業者を対象としています。
調査項目は、従来同様のスピードテストに加えて、複数の動画をザッピング再生した時のデータ消費量を示す「ギガ消費」や動画の画質、Web表示所要時間、マップ表示所要時間、80MBのアプリダウンロードにかかる時間の合計6項目を評価しています。
調査は7月30日、31日、8月29日、30日の4日間、それぞれ朝(8:30頃)、昼(12:30頃)、夜(19:30)の3つの時間帯に実施、測定にはSIMと同数のiPhone8が使われています。
測定対象となった事業者は以下のとおりです。
<MVNO>
- 楽天モバイル
- IIJ mio
- OCNモバイルONE
- mineo(Dプラン)
- mineo(Aプラン)
- BIGLOBEモバイル(タイプD)
- BIGLOBEモバイル(タイプA)
- NifMo
- DMMモバイル
- LINEモバイル(ドコモ回線)
<サブブランド>
- Y!mobile
- UQモバイル
<大手キャリア(MNO)>
- NTTドコモ
- au
- ソフトバンク
回線混雑の影響が大きい傾向のMVNO
大手キャリアの回線を借りてサービスを提供するMVNOは、通信速度で不利になる傾向があります。
今回の調査でも、回線が特に混雑する昼の時間帯でMVNOの速度低下が目立つ傾向にあります。その中でも、LINEモバイル(ドコモ回線)は1Mbpsを下回っておらず、比較的安定した速度が出ています。
サブブランドでは、Y!mobileは全時間帯で30Mbpsを上回る安定した高速通信ができています。UQ mobileは時間帯によってはMVNOと同等の通信速度まで低下するなど波が見られます。
大手キャリアは、全体を通じて高速通信ができる傾向にあり、特にソフトバンクの通信速度の速さが目立ちます。auは8月29日の昼に152.22Mbpsを記録した翌日の昼は1.06MbpsでLINEモバイルに負けるなど、振れ幅が大きいのが目立ちます。
各社ともスムーズに再生可能、画質に差
動画再生は、YouTubeで4分10秒の動画を再生し、調査対象となった15サービスとも、再生遅延や途中停止はなく、スムーズな再生が可能でした。
一方、動画の画質ではサービスによって差が出る結果となりました。
大手キャリアやサブブランドでは高画質の720pで再生できた一方、MVNOは測定日によっては480pや360p、一部では240pでの再生となりました。
MM総研は、多くのユーザーに好まれる基準となる画質を360pとしています。
また、動画再生中に2本目、3本目の動画再生を開始するザッピング視聴を行なった場合のデータ通信量は、高画質再生するほど多くなりますが、BIGLOBEモバイル(タイプA)は720pの高画質で再生しながらデータ通信量も抑えられていました。
このほか、楽天モバイル、IIJも420p画質で再生しながらデータ通信量が節約できています。
なお、アプリのダウンロード時間は、通信速度の速い大手キャリアとサブブランドでは短く、MVNOでは長いという傾向が顕著となりました。
Web表示は混雑するお昼に時間がかかる傾向
Webの表示速度は、MM総研のホームページ表示完了にかかる時間で比較しています。
お昼の時間帯、MVNOは表示に時間がかかる傾向がありますが、それ以外の時間帯は基準値とした10秒以内に表示ができており、ストレスを感じることはあまりなさそうです。
マップは「新宿」を検索して表示完了までの時間を計測していますが、お昼の時間帯でも多くのサービスで10秒以内の表示ができています。
用途に応じた選択が重要
今回の調査結果についてMM総研は、動画をサクサク視聴したいなら大手キャリアやサブブランドが優位とした上で、MVNOは用途によって選択するのが重要として、動画再生については以下のMVNOサービスが推薦候補となりうる、とまとめています。
- 高画質で動画再生できる:BIGLOBEモバイル(タイプA)、mineo、NifMo、LINEモバイル
- 基準以上の画質でデータ消費量を抑えられる:楽天モバイル、IIJ mio、OCNモバイルONE、BIGLOBEモバイル(タイプA)
Source:MM総研
(hato)