iFixit、T2チップ搭載Macのサードパーティ修理はいまも可能と判断

デバイスの分解で知られるiFixitが、Appleが認める正規サービスプロバイダー以外による修理によりT2チップ搭載のMacが動作不能となるとの新報道の実証を行いました。結果、噂されていたソフトウェアによるデバイス動作の中断は確認されず、今のところサードパーティ修理は可能との結論に達した模様です。
修理後に規定のプログラムの実行を義務付ける内容の記載
現地時間の4日、Appleの正規サービスプロバイダー向け内部資料が流出し、Apple認定の修理業者は、Macbook Proのディスプレイ、トップケース、ロジックボード、Touch IDボード、iMac Proのロジックボードもしくはフラッシュストレージの交換の後、「Apple Service Toolkit 2」なるプログラムを実行しなければばならないとの新たな記載が明らかになりました。
もし規定のプログラムが実行されない場合、システムは動作不能になると記されていたことが大きな話題となり、いくつものメディアで取り上げられましたが、iFixtitによれば、この新しい修理ポリシーはまだ施行されていないようです。
実際に最新デバイスを購入して実験
iFixitは報道の真実を確かめるため、実際に最新のタッチバー付き13インチMacBook Proを購入し、7月の分解に使用された別のMacBook Proとディスプレイを交換することにしました。iFixitは、旧デバイスをmacOS Mojaveにアップデートし、ロジックボードの交換も行いました。
いずれのケースでもMacBook Proモデルは修理後に問題なく動作したと伝えられています。
iFixitは修理の結果について以下のようにコメントしています。
我々の予想では、ソフトウェア(Apple Service Toolkit 2)でシリアルナンバーとその他の部品データを追跡することで、正規サービスプロバイダーが修理を正しく行っているかを認証している…デバイスを所有しているのはAppleであり、ユーザーではない。非正規の修理が行われているとわかったときには遠隔操作でデバイスを動作不能にすることもできる。
この修理ポリシーが計画的陳腐化にあたるのではないかとの意見もあります。T2チップ搭載のMacの寿命がきたと判断された場合、デバイスの動作が止められ、買い替えを迫られるといったこともあるかもしれません。
また、修理する権利(right to repair)に反しているとの指摘もあり、今後もこの新修理ポリシーについて注意する必要がありそうです。
Source:AppleInsider
(lexi)