クックCEO、アプリやコンテンツの排除に「政治的な意図を持ち込まない」と明言

tim cook

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Appleのティム・クックCEOがインタビュー番組に出演し、同社のプライバシー保護について、さらには不適切なアプリやコンテンツの排除などについて語りました。その中でクック氏はポッドキャストやアプリを排除する際には政治的な意図を排除して行うことを明言しています。

差別的、暴力的コンテンツは排除

Appleは先月アレックス・ジョーンズ氏のポッドキャスト番組を排除し、また同氏が提供しているiOSアプリをApp Storeから削除しました。アレックス・ジョーンズ氏は差別的、暴力的、排外主義的な言動で知られている人物であり、「右派系陰謀論者」と評されることもあります。同氏は自身の主張をポッドキャストやアプリを通して配信しており、Appleは発言内容に問題があるとしてこれらコンテンツを排除しました。
 
Appleは社として多様性を重視し、マイノリティの権利を重視する立場を鮮明にしており、時としてリベラル派として認識されることもある企業です。またトランプ政権の移民政策に対して真っ向から反論するなど、右派との対立が目立つこともあります。そうした背景で見ると「右派系」とされるアレックス・ジョーンズ氏のコンテンツ削除には政治的な意図が働いたと考える人が出てきてもおかしくはありません。
 


 
しかしティム・クックCEOはこの見方を明確に否定しています。「私たちは政治的立場を取っていません。一方に傾くことはありません。App Storeやポッドキャストでは、保守的なものからリベラルなものまですべてを見ることができます。それが我々が考えるあるべき状態です」と述べ、過去のコンテンツ削除には政治的な立場の違いは関係していないことを明言しました。

プライバシーについて

Appleはこれまでも顧客のプライバシー保護を優先する経営姿勢を鮮明にしています。クックCEOはインタビューで「(ユーザー情報を)できるだけ少なく集めることに挑戦しています」と述べ、位置情報やWebの閲覧履歴など多数の個人情報を収集して顧客に適したサービスを提供(提案)する方法を採らないことを改めて表明しています。
 
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この方針がかえってSiriを不便にしているとの指摘については「一部の企業が便利なサービス提供のためにはユーザー情報を全て収集する必要があると信じ込ませようとしている。しかしそれを信じてはいけません」と発言し、現時点でのSiriの利便性向上よりも顧客のプライバシーを優先する考えを鮮明にしています。
 
今回のインタビューでもわかるように、Appleはサービス提供における政治的中立とプライバシー保護を強く意識しており、その方針がAppleの成長を支えているのかもしれません。
 
 
Source:9to5Mac
(KAZ)

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