Foxconn、iPhone組み立て工場を米国に複数建設する計画か

トランプ米大統領の対中制裁によって、関税の影響を大きく受けるとされているApple製品ですが、iPhoneの組み立てを請け負うFoxconn(鴻海)が、複数の組み立て工場を米国内に建設する用意があることが分かりました。
米2州で組み立て工場建設の用意
世界最大級のサプライヤーとして知られるFoxconnは現在、iPhoneの組み立て生産を主に中国で請け負っています。しかし、トランプ大統領の対中制裁がさらに進めば、中国から出荷するiPhoneにも高額な関税がかかるとされています。
サプライヤー事情に詳しい経済日報によると、こうした問題を回避すべく、Foxconnは米インディアナ州インディアナポリスとテキサス州ダラスにスマートフォンの組み立て工場を建設する計画を立てているようです。
すでに同社は、ウィスコンシン州にディスプレイ生産工場を建設しているとあって、今回の組み立て工場建設が実現化すれば、より一層米国へのコミットが進むことになります。
また、事情に詳しい関係者の話では、関税の問題で仕方なく工場を建設するわけでなく、実際の需要に応えるという側面もあるそうです。
工場を作れば完了というわけにもいかず
ただし、もし米国に組み立て工場が移動すれば、AppleによるiPhoneの値上げは避けられそうにもありません。
アナリストの試算では、現行の生産ラインのうち10%を米国に移した場合は8%、100%移した場合は20%の値上がりが起きるそうです。
また、熟練労働者が米国では少ないために訓練が必要なほか、部品を供給するサプライチェーンも米国には殆どないことなどから、仮に組み立て工場が建設されたとしても課題は山積みです。
Source:経済日報
Photo:Flickr-iphonedigital
(kiahchi)