ステーキにスマホをかざして気軽にアプリで産地検証~PwC開発

flickr フリー素材 ステーキ 食事

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最新のスマートフォンと肉汁たっぷりのステーキ――。思いもよらない組み合わせが今、食肉業界を救おうとしています。

二酸化ケイ素で刻印

「オージービーフ」として知られるオーストラリアの牛肉は、そのブランドが持つ知名度のせいで、長らく産地偽装に悩まされています。
 
発覚しているだけでも世界中で年間650億ドル(約7兆1,500億円)もの偽装食品が溢れており、このうちオージービーフが年間20億ドル(約2,200億円、販売店の売り上げベース)を占めています。
 
こうした現状を受けて、新たに開発されているのが会計企業Pricewaterhouse Coopers(PwC)による、二酸化ケイ素を用いた産地検知システムです。
 
仕組みは、産地データを二酸化ケイ素で牛肉に書き込み、ハイパースペクトルカメラで読み取るというもの。二酸化ケイ素の“刻印”は非常に細やかで目に見えず、人間が口にしてもまったく問題ありません。

アプリで一般ユーザーが検証できるようにも

さらにPwCは、スマートフォンに専用アプリをインストールすることで、将来的には消費者でもデータをスーパーマーケットやレストランなどで読み取ることが可能になると話します。
 
産地だけでなく、年齢、いつ加工されたか、どんな飼料を与えられたか、どのように輸送されてきたか、加工地からどのくらいの距離があるかなどは、消費者にとっても重要なポイントでしょう。
 
こうしたことから、Financial Reviewは「ステーキにShazamが使えたら」と絶妙な例えを用いています。ステーキの写真を撮影していると思ったら、専用アプリで産地を検証していた、という光景がレストランで拝める日も近いかも知れません。
 
なお、かつては専用の高額デバイスや専門家の知見が必要だったものをスマートフォンで代用するという研究は医療分野に多くみられ、パーキンソン病HIV診断DNA解析などのテーマで開発が進められています。
 
 
Source:ABC,Financial Review
Photo:Flickr-Marco Verch
(kihachi)

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この記事を書いた人

丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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