スマホ上でパーキンソン病かを検証できる革命的なアプリが登場

    アプリ パーキンソン病

    アプリ パーキンソン病
     
    インターネットが一般に流通するよりも前、日本では自分の病状を確認するとき、分厚い百科事典を取り出して関連する項目を探しながら、当たりをつけるのが一般的でした。しかし、今ではパーキンソン病ですら、スマートフォン上のアプリで簡単に推察できてしまいます。

    従来の診断プロセスには課題があった

    パーキンソン病とは、脳の機能がバランスを崩すことにより、手足の震えなど運動障害を起こす病気です。中高年に多く発症が確認されており、現代の医療技術では難病の1つに数えられています。
     
    現在、パーキンソン病かどうかを判定するには、自身の症状を専門家に伝え問診を行ったうえで、疑いが濃厚な場合は精密検査に進むという過程が一般的だそうです。
     
    ニュースサイトEurekaAlertによると、診断を的確に行うために、自宅でもこまめに動作を記録せねばならず、複数の病院を駆け巡って専門家の診断を仰ぐという患者も珍しくないのだとか。これは、患者と専門家の主観が、診察結果に大きく影響することが関係しているようです。

    アプリに表示されるスコアで診断が可能に

    しかし、ジョン・ホプキンス大学が機械学習を活用して開発した実験アプリ「HopkinsPD」では、アプリ上で提示された5つのタスクをユーザーに挑戦してもらい、獲得したスコアにもとづいて、彼らがパーキンソン病かを高精度で判定できたそうです。
     
    タスクは、発話、指でのタップ、歩き方、バランス、反応速度の5つで構成されており、スコアは0から100までの範囲で表示されます。点数が高ければ、パーキンソン病が疑われるという仕組みです。
     
    開発するにあたって、ジョンズ・ホプキンズ大学の研究チームは、129人の被験者を対象に、アプリと通常の診断プロセスを同時進行で進めてもらうという方法を採りました。その結果、被験者のスコアと、最終的にパーキンソン病だと診断されるかどうかにおいて、強い相関が見られたそうです。
     
    このアプリを活用することで、主観に大きく依存することなく、スコアという数値で客観的に診断ができるようになる、と研究チームは胸を張ります。また、患者がアプリを使用する環境を自由に選べるのも、パーキンソン病の診断においては重要なポイントだそうです。

    iPhoneユーザーもプロジェクトに参加可能

    なお、一般ユーザーもアプリを通してプロジェクトに参加することも可能です。
     

    app store アプリ mpower

    iOS向けアプリとして提供されている「mPower」


     
    すでにAndroidとiOS向けの両方が提供されており、Android版はParkinson’s Voice Initiativeというウェブサイト(下記リンク参照)から、iOS版はApp Storeにて「mPower」という名称で入手が可能です(USストアのみ)。また、「mPower」については開発にあたって、Appleの協力があったそうです。
     
     
    Source:EurekaAlert,Reuters,Parkinson’s Voice Initiative,App Store(US)
    (kihachi)

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