Apple、インド攻略で新たな障壁〜Apple Pay導入が延期か

    Apple Pay

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    Appleはインド市場において苦戦を強いられていますが、今度はApple Payの導入が遅れるという、新たな壁に直面しているようです。

    インド市場を攻めあぐねているApple

    インドのスマートフォン市場におけるiPhoneのシェアは1%まで縮小し、同国の通信規制当局が開発したプライバシー侵害の可能性があるアプリを拒否したために、インド国内でのiPhone使用が禁止される可能性が浮上、また悲願のApple Store開店計画が遅々として進まないなど、Appleはインド市場を攻めあぐねています。
     
    そうした厳しい現状において、同社の決済システムApple Payのインドへの導入計画が暗礁に乗り上げるという、次なる問題が発生している模様です。

    インドの「データローカル化」規制

    Economic Timesによれば、AppleはApple Payを通じたインド国内の銀行での決済を可能にするために、「統合決済インターフェース(Unified Payments Interface、UPI )」の利用を検討していました。UPIはインド決済公社NPCI(The National Payments Corporation of India)が2016年に立ち上げた決済サービスです。
     
    しかしインド準備銀行がこのほど策定した、UPIを利用する企業に対し、決済データをインド国内に保管することを義務付ける規制「データローカル化」に懸念を覚えたAppleは、同国へのApple Pay導入を当面見送る決断をしたと報じられています。
     
    今回の規制に従うには、Appleが自らインド国内にストレージ施設を建設するか、国内の企業と契約を結ぶ必要があり、いずれの方法を選択するにせよ時間がかかるため、導入を遅らせることになったと見られています。

    UPIではTouch IDとFace IDが使えない

    またインドへのApple Pay導入にはもう一つ大きな障壁があります。Economic TimesによればNPCIは、UPIの認証に4桁または6桁の暗証番号入力を義務付けており、Touch IDやFace IDなどの生体認証は認めていないからです。
     
    データローカル化規制に関しては、MasterCard、Visa、Amazon、PayPal、WhatsAppなど、インドへの決済システムの導入を計画している他の企業も頭を悩ませているとのことです。

     
     
    Source:Economic Times via AppleInsider
    (lunatic)

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