「AppleによるShazam買収」EU当局の承認を得られる見込み

Shazam

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昨年12月にAppleによってShazamの買収が発表されました。音楽検索サービスを提供するShazamの買収はApple Musicの強化につながると評価されましたが、現時点で欧州連合(EU)の規制当局による審査が続いており、買収手続きは完了していません。9月4日までの審査とされていますが、ロイターは審査がAppleに有利な形で終了すると報じています。

音楽検索だけではない

Shazamは「今流れている音楽」をスマートフォンに音で認識させればその曲名を答えてくれるサービスです。このサービスは名前の知らない音楽を調べるのには便利なのですが、Shazamの武器はこれだけではありません。ユーザーの検索情報をリアルタイムで集計することで、正確にこれから流行る音楽をキャッチしています。
 
siri
 
実際に音楽関係者にはShazamの検索データが重宝されていると言われており、そのデータがAppleに独占されるとすれば、公正な競争が阻害される恐れも出てきます。さらにAppleがShazamユーザーにApple Musicの勧誘広告を配信すれば、他の音楽配信サービス企業にとっては脅威になります。これらを総合してEUの規制当局は買収が競争を阻害しないか審査を続けています。

Spotifyとの競争にも影響

Shazamがイギリス企業であったため、買収についてEU当局の審査を受ける必要が生じたのですが、この審査はApple Musicとの競争において、ヨーロッパ企業であるSpotifyが不利にならないような配慮であった可能性はあります。実際、Spotifyはアメリカでは有料会員数トップの座をApple Musicに譲っており、ヨーロッパでの競争の行方が非常に重要になっています。
 
ティム・クック
 
今回の審査でEU当局はAppleによる買収を無条件で認めると報じられているとおり、当然ながら判断自体は公正に行われているのでしょう。ただ審査には長い時間がかかり、AppleがShazam買収を発表してから9カ月もの時間が経過しています。競合企業にとっては対応のための貴重な時間になった可能性は十分に考えられます。
 
 
Source:9to5Mac
(KAZ)

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