「冷却不足問題はMacBook Pro 2018に限らない」米専門誌指摘

    apple 2018 macbook pro

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    新たに発売されたMacBook Pro 2018は、性能の高さがアピールされる一方で、冷却不足からパフォーマンスが最大限発揮されないという指摘が出ています。しかし、識者に言わせると、この問題はMacBookに限らず、ラップトップに広く見られる現象とのことです。

    MacBook Proに限らない

    Intel Core i7搭載のMacBook Pro 2017に対して、Intel Core i9搭載のMacBook Pro 20185Kレンダリングのスピードテストで下回る、というYouTuberの指摘は大きな反響を呼びました。高い負荷がかかっている状態において、CPUの冷却不足のために動作クロックが下がる「サーマル・スロットリング」機能が働いていることが原因とされており、冷蔵庫でタスクを処理すると、パフォーマンスが効果的に発揮されることも分かりました。
     
    しかし、非営利消費者組織が発行する著名な専門誌Consumer Reportsによると、これはMacBook Pro 2018に限らず、ここ数年の同シリーズに共通する傾向であるばかりか、ラップトップ業界において珍しくもない傾向だそうです。
     
    というのも、ラップトップでは薄型化や軽量化が主眼におかれるため、デスクトップのような大掛かりなファンやパイプといった冷却装置を有していないからです。事実、サーマル・スロットリング問題は、同じくIntel Core i9を搭載しているDellのXPS 15でも確認されています。

    デスクトップやゲーミングパソコンという選択肢も

    Consumer Reportsの電子部門担当であるリチャード・フィスコ氏は「ラップトップはプロセッサにとって、考えうる限り最悪の環境だ」と指摘します。「十分なスペースがなく、効率的に冷却することができない」
     
    では、どうすればいいのでしょうか。Consumer Reportsは2つの解決策を提示します。
     
    1つ目は、通常のラップトップに拘るのではなく、デスクトップやゲーミングラップトップといった冷却装置が十分に搭載されているデバイスの選択です。大量のアプリを動かしたり高解像度のビデオ編集を行ったりするユーザーは、冷却装置がしっかりしているかどうかを購入の際に検討するべきだというわけです。
     
    2つ目は、YouTubeの動画で明らかにされたとおり、i7やi5といったグレードの落ちるCPUをあえて選ぶという選択肢です。逆説的ではありますが、Photoshopなど高い処理能力が求められるタスクを頻繁に行うユーザーは、わずかに性能の落ちるプロセッサを選択することで、サーマル・スロットリング問題はほとんど回避できる、とConsumer Reportsは指摘します。
     
    ようするに、同誌で電子デバイスのテストを統括するマリア・レレチッヒ氏が「膨大な演算を行うのでもない限り、一般的にはi5で十分だ」と結論づけるように、そこまで高い性能を制約の多いラップトップに求める必要があるのか、ということでしょう。
     
     
    Source:Consumer Reports
    (kihachi)

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    この記事を書いた人

    丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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