大手キャリアの販売方法は独占禁止法違反だらけ!?公取委が報告書で指摘

    公正取引委員会 大手キャリア

    公正取引委員会 大手キャリア
     
    公正取引委員会は6月28日、「2年縛り」や「4年縛り」「SIMロック」といった、iPhoneなどのスマートフォン販売の際に大手携帯キャリアが広く用いている販売方法について「利用者を拘束しており、独占禁止法上問題がある可能性がある」と指摘、今後は独占禁止法を厳正に執行する姿勢を示した報告書を発表しました。

    大手携帯キャリアの販売方法について、独禁法上の問題を指摘

    公正取引委員会が発表した報告書「携帯電話市場の競争政策上の課題について(平成30年度調査)」では、通信役務及び端末の供給の現状と競争政策上の課題として、先日報道された「4年縛り」のほか「通信と端末のセット販売」「2年縛り」「SIMロック」などが消費者の不利益になっており、独占禁止法に違反している可能性があるとして、問題点が指摘されています。
     
    これらの問題が独占禁止法違反に直結するわけではありませんが、報告書は大手キャリアに対して現状の是正を強い調子で求める内容となっています。

     

    1.通信と端末のセット販売

    契約端末数で約9割のシェアを持つ大手キャリアが、通信サービスとスマートフォン端末をセットで販売し、端末価格の割引を提示することは、私的独占にあたり、独占禁止法上問題となる可能性がある、と報告書は指摘しています。
     
    また、端末価格の「割引」も、割引前の価格が実質的なものでなく、景品表示法上の問題となるおそれがある、ともされています。
     
    契約期間を拘束する場合、契約期間中に支払う通信と端末の総額を示すことが望ましいと、総支払額の提示を求めています。

     

    2.「2年縛り」

    2年間の継続利用を条件として毎月の通信料金を割り引く大手キャリアの「2年縛り」は、解約時に発生する約1万円の契約解除料がスイッチングコストになっていると平成28年度に指摘したが改善されていない、と問題視しています。
     
    また、契約から2年経過後に契約解除料が不要となるプランは実質的に選択肢にならないもので、大手キャリアは事実上「2年縛り」を強制している、と指摘しています。
     
    これらは、私的独占、取引妨害にあたり、独占禁止法上問題となるおそれがある、としています。

     

    3.「4年縛り」

    KDDIとソフトバンクが導入している、いわゆる「4年縛り」は、端末を4年間の分割払いにして一定期間後に機種変更する際、旧端末を下取りに出すこと、同じプログラムに再加入することを条件に端末価格を割り引くものです。
     
    報告書は、一度契約してしまうと利用者のスイッチングコストが高まり、他の通信会社への乗り換えが実質的に困難になるため利用者の選択権を事実上奪い、他の事業者の活動を困難にしており、独占禁止法の私的独占や取引妨害に相当する可能性がある、と指摘しています。
     
    また、端末を半額で購入できるかのような印象を与えるため、説明内容や方法によっては、消費者の誤認を誘発する景品表示法上の問題にあたるおそれがある、としています。

     

    4.SIMロック

    大手キャリアから購入した端末に他社のSIMカードを挿しても使えないよう設定するSIMロックについて、公正取引委員会は平成28年度にも「設定しないことが望ましい」と指摘していますが、現在も大手キャリアはSIMロックを設定しています。
     
    報告書では「SIMロックはキャリアの都合により設定されているもの」で、消費者が通信会社を乗り換える際の妨げであり、他事業者の活動を困難にしており独占禁止法上の私的独占、取引妨害に相当するおそれがある、と指摘しています。

     

    5.中古端末

    端末メーカーが大手キャリアに対して、下取りした中古端末の国内流通を制限し、MVNOの排除につながっている場合は独占禁止法上の拘束条件付取引,取引妨害等にあたり、問題になる可能性がある、と指摘しています。
     
    さらに、大手キャリアが下取りした端末を販売する際、特定の事業者への販売を禁止・制限することは取引拒絶,差別取扱い等にあたり、独占禁止法違反になる可能性があるとしています。

     

    6.その他の問題

    SIMロックや2年縛り、4年縛りなどが組み合わせられることで、競争排除効果が増幅され、独占禁止法上の問題となる可能性が一層高まる、と指摘しています。
     
    先日、公正取引委員会が問題視していると報じられていたMVNOから徴収する「接続料」についても透明性の確保が必要として、有識者や専門家による定期的な検証が提案されています。

    「今後は独占禁止法を厳正に執行」

    公正取引委員会は、携帯電話市場において消費者が自由に商品・サービスを選択し、スムーズに変更できることが重要である、と強調しています。
     
    今後の対応については、携帯電話事業の監督省庁である総務省との連携を継続するほか、スイッチングコストを高めることで利用者を不当に囲い込む行為に対しては「独占禁止法を厳正に執行」することで、MVNOの競争環境整備、大手キャリア間の競争促進を図る、との方針を示しています。

     
     
    Source:公正取引委員会
    (hato)

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    この記事を書いた人

    2013年からライター&編集担当として活動。2007年、駐在中のシリコンバレーで発売直後の初代iPhoneに触れて惚れ込む。iPhone歴は3GS→5s→6 Plus→7 Plus→XS Max→12 Pro Max→14 Pro。

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