Apple、Telegramのアップデートを承認へ~ロシア当局の圧力に屈せず

メッセージアプリ「Telegram」について、ロシア当局がAppleに対し同国のApp Storeからアプリを削除するよう働きかけている問題で、AppleがTelegramのアップデートを受け入れたことが分かりました。
CEOからの苦情が後押し?
Telegramは暗号化通信を可能にするメッセージアプリですが、それ故にテロリストに悪用される恐れがあるとして、ロシアでは4月より使用が禁止されています。
こうした事情を受け、AppleもTelegramのアプリのアップデート承認を見合わせていました。しかし、アップデートの見合わせはロシアの国外ユーザーにまで影響が及ぶため、Telegramの最高経営責任者(CEO)であるパヴェル・ドゥロフ氏が苦情を申し立てていました。
そして1日、ドゥロフCEOの申立が奏功したのか、一転して、AppleがTelegramの全世界共通のアップデートを受け入れたことが分かりました。同氏はAppleに謝辞を述べています。ただ、ロシアのApp StoreにおいてはTelegramの扱いがどうなるかは分かりません。
Thank you @Apple and @tim_cook for letting us deliver the latest version of @telegram to millions of users, despite the recent setbacks.
— Pavel Durov (@durov) June 1, 2018
今のところアプリは削除されていないが
ロシア当局が使用を禁止しているにもかかわらず、現時点で同国のApp StoreからTelegramは削除されていません。
ただし、中国ではVPNアプリやCallKitアプリがApp Storeから「国内の法律に則って」削除されてきたことを思えば、今後の状況次第ではTelegramがロシアのストアから消える可能性もなくはないでしょう。
プライバシー尊重を掲げてきたAppleとしては、どこまで現地政府の意向に従うのか、見極めが重要となりそうです。
Source:PhoneArena,THE VERGE
(kihachi)