Apple、中国のApp StoreからCallKitアプリを削除

Appleが中国のApp Storeから、CallKitフレームワークを使用したアプリの削除を開始したことがわかりました。
iOS10で追加されたCallKit
Appleが中国のApp Storeから、VPNアプリの一掃に引き続き、CallKitフレームワークを使ったアプリの削除を開始した模様です。CallKitとはiOS10で追加されたVoIPアプリを拡張するAPIで、電話アプリと同様のインタフェースや高音質の通話機能をアプリに追加することができます。
米メディア9to5Macはこの動きについて、中国政府の新たな規制に従ったものではないかと推測しています。
以前から予想されていたCallKitアプリの削除
同メディアが入手した情報によれば、Appleは中国でCallKitを利用したアプリを提供している開発者らに対し、「中国政府の規制により、中国国内ではCallKitの機能は提供できない」との通知を送付しているとのことです。つまり今後も中国のApp Storeでアプリを提供したい場合、CallKitとの統合を解除する必要があります。
今回の一掃は、以前からある程度予想されていたものだったようです。たとえば中国で人気のチャットアプリWeChatは、一時的にCallKitと統合していたものの、後にその機能を削除しています。
昨年夏には、Appleは仮想のプライベートなネットワーク接続を可能にするVPN(仮想プライベートネットワーク)アプリを、中国のApp Storeから一斉削除しました。この決定についてアメリカの上院議員らが同社に対し、人権や自由を軽視する中国政府の手助けをしているのではないか、という趣旨の公開質問状を送っています。
中国におけるコミュニケーション系アプリの締め付けは年々強まっており、昨年秋には、Microsoftが提供するインターネット電話サービスSkypeのアプリが、App Storeを含む中国のアプリストアから姿を消しています。
Source:9to5Mac
(lunatic)