2019年、iPhoneの全モデルOLED化が実現しない3つの理由

    Apple iPhone X

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    2019年にはiPhoneの全モデルにiPhone Xで採用された有機EL(OLED)ディスプレイが搭載される、との報道について、業界の動向に詳しいアナリストたちは懐疑的な見方をしています。

    2019年の全モデルOLED化を否定する3つの見解

    2019年発売のiPhoneには全モデルでOLEDが採用される、と韓国メディアのETNewsなどが報じているとお伝えしたばかりですが、業界の動向に詳しいアナリストたちの反応は懐疑的だ、とBloombergが報じています。
     
    Bloombergがまとめた、iPhoneの全モデルOLED化が実現しないと考えるアナリストたちの見方は3つあります。
     

    1:低価格の液晶モデルは、Appleの戦略上重要な商品

    JP Morganのジェイ・クウォン氏は、OLED搭載モデルよりも低価格の液晶モデルは、2018年の時点でAppleの販売戦略上、重要な存在であることを指摘し、その戦略は2019年になっても変わらないだろう、と指摘しています。
     

    2:全モデルに必要なOLEDパネルの調達が困難

    Yuanta証券のジェフ・プー氏は、2017年の1年間に世界で約2億1,600万台が販売されるiPhoneの全モデルに必要なOLEDをサプライヤーから調達するのは難しいだろう、と指摘しています。
     
    現在OLEDでトップシェアを持つSamsungは、自社製品にもOLEDを採用しており、業界2位のLG Displayの供給能力はSamsungには及ばないため、安定的な調達に支障をきたすリスクがあります。
     

    3:サプライヤー各社は液晶モデルの継続を見込んでいる

    Goldman Sachsの高山大樹氏、ジェ・ダイ氏は、ジャパンディスプレイ(JDI)やシャープ、Samsungといった主要サプライヤー各社が発表した業績見通しは、Appleが2019年も液晶モデルの販売を継続することを示している、と指摘しています。

    将来的には全モデルOLED化も

    一方で、IHS Markitのジェリー・カン氏は、Appleが将来、iPhoneのディスプレイをOLEDに切り替える流れは確実にあるが、2019年のタイミングになるかは疑問だ、とコメントしています。
     
    なお、AppleはOLEDのさらに先を見据えて、MicroLEDディスプレイの実用化に向けて研究開発を進めている、との報道もあります。

     
     
    Source:Bloomberg
    (hato)

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    この記事を書いた人

    2013年からライター&編集担当として活動。2007年、駐在中のシリコンバレーで発売直後の初代iPhoneに触れて惚れ込む。iPhone歴は3GS→5s→6 Plus→7 Plus→XS Max→12 Pro Max→14 Pro。

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