人気アプリ「Steam Link」却下の理由をApple副社長が明かす

    steam link

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    PCゲームがネットワーク回線を利用してストリーミングでiPhoneでも遊べるようになるアプリ「Steam Link」が、AppleによってApp Storeでの公開を却下されるという出来事は、世界中のゲームファンにとって少なくない衝撃をもたらしました。しかし、Apple側にとっては理由もなく却下したというわけではないようです。

    Valve側と協力していることを強調

    Appleでワールドワイドマーケティング担当上級副社長を務めるフィル・シラー氏が、Redditに対してメールで語ったところによると、Valve側から提出されたアプリ「Steam Link」には「不幸にも複数の規約違反があった」そうです。例としてシラー氏は「コンテンツ生成、アプリ内購入、コンテンツコード」などを挙げています。
     
    また、Appleとしては動向を「非常に気にかけている」ことがメールでは強調されており、強力なサードパーティを潰したいだけなのではないか、という憶測についても否定しました。事実、すでに「Valveと問題点を協議しており、App Storeのガイドラインに沿った形でiOSやApple TVでSteamが体験できるよう協力体制を敷いている」とのことです。

    異例の釈明となったわけ

    フィル・シラー副社長が直々にRedditにメールを送るという、珍しい展開になったのには理由があります。
     
    25日に「Steam Link」が却下されたことが発表されるや否や、ネットではAppleを批判する声が多く沸き起こりました。嘆願を送るサイトChange.orgには執筆時点でAppleに対して700人以上もの嘆願が集まっています。

    アプリを経由しなくともゲーム購入は可能

    トラブルの元凶になっているのは先述した「アプリ内購入」にまつわる問題だという見方が少なくありません。
     
    App Storeで公開されているアプリについては、アプリ内で課金があった場合、そこから得られる利益の30%をAppleにマージンとして支払う必要があります。そのため、過去にAppleは「独占禁止法に抵触しているのではないか」としてApple Musicの競合サービスであるSpotifyと衝突した過去もあります。
     
    ただSteam Linkの場合、どちらにしてもゲームを可動させるためのパソコンが必要となるので、ユーザーはアプリ内でなく、パソコンを介してゲームを購入することが可能です。こうした点がAppleと反目する理由になっているのではないか、というわけです。
     
     
    Source:Ars Technica,iPhone in Canada
    (kihachi)

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