iPhone Xは好調でもAppleが中国で苦戦を強いられているワケ

apple フリー素材 apple store iphone7 中国

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Appleが依然として、スマートフォン市場で「一人勝ち」していることは疑いようもありません。スマートフォンの性能、シェア、利益いずれをとっても、Appleの存在感は無視できないものとなっています。しかし、中国ではiPhone Xの売れ行きが好調であるのにもかかわらず、苦戦を強いられ続けているのが現状です。

グローバル市場と比較すると厳しいことには変わりない

2017年の年末で、中国におけるAppleの市場シェアは24.3%となり、10月の17.4%から大幅に増大しました。これは、iPhone X、iPhone8/8 Plusの中国での売り上げが好調であったことに起因しています。
 
とはいえ、HuaweiやXiaomiといった地元ベンダーの安価で性能の良いスマートフォンや、市場の成長力鈍化を受けた国内キャリアの補助金削減によって、Appleが同国では年々苦しい状況に追いこまれていることには変わりない、と一部のアナリストは見ています。こうした状況を受けて、調査会社Strategy Analyticsのアナリストも「2018年もAppleにとっては苦しい年になるだろう」と指摘します。
 
例えば、2017年では前年比で中国へのスマートフォン出荷台数は4%下落しました。これは明らかに同国でのスマートフォン市場が飽和状態にあることの証で、調査企業IDCは2018年もさらに2%下落するだろうと見込んでいます。また市場の飽和以外にも、ディスプレイの大型化や指紋認証センサー、カメラ機能の向上が2016年に起きたことで、同年の時点で消費者が手持ちのスマートフォンをアップグレードさせたことが理由だともIDCは見ています。

価格を下げれば、消費者は飛びつく?

では、どうすればAppleは中国でシェアを増大することができるのでしょうか。
 
先述のアナリストは「もし、Appleが中国で将来的にiPhoneの売り上げを伸ばしたいのなら、価格カーブを上昇させるのではなく、下落させるべきだ」と指摘しています。つまり、価格を引き下げれば、販売ターゲットをミッドレンジのスマートフォンを求める層にまで拡大できるというわけです。
 
しかし、言うは易く行うは難しといったところでしょう。
 
なぜなら、すでにOPPOやVivoといったローカルベンダーがミッドレンジ市場を薄利多売でガッチリ抑えているからです。また、iPhone5cやiPhone SEのリリース当時、新興国でのウケがそこまで良好でなかったことを思えば、なまじブランド力があるだけに「最良でないiPhone」を消費者があえて好む状況は考えにくいと思われます。
 
コストパフォーマンス重視のスマートフォンから、徐々にハイエンド市場へ食指を動かしてきたHuaweiやXiaomi、OPPO、Vivoといった地元ベンダーとは、ここまでの経緯が大きく違うのです。
 
 
Source:Forbes
(kihachi)

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この記事を書いた人

丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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